こんにちは、毎日頭痛外来を行っている「しろうず脳神経外科」です。台風の季節がやってきました。当院には、「天気が悪くなると頭が痛くなる」というお悩みの方も多く来院されます。天気の変化によって頭痛やめまい、耳鳴り、肩こり、首のこりなど、もともとある症状が悪化する病態は、一般的に「天気痛(気象病)」と呼ばれています。
なぜ、天気が悪いと頭痛が起こりやすいのでしょうか。
今回は、天気と頭痛の関係について解説していきます。
ウェザーニュースが2023年に行った調査によると、19,714人の回答者のうち7割近くが天気痛の自覚があると回答しています。特に女性で半数以上が天気痛の自覚があると答えており、女性に多くみられる症状であることがわかります。
天気が悪いとなぜ頭痛は起こるのでしょうか?実はその理由は、いまだにはっきりとはわかっていません。
しかし、天気痛は、平衡感覚をつかさどる耳の内耳前庭部の過敏さによって引き起こされていると考えられています。もともと内耳前庭部の敏感さがあると、気圧の変化に反応して交感神経系が興奮し、頭痛が引き起こされるという仕組みです。
天気が悪いと起こる頭痛の対策法を紹介したいと思います。
睡眠・覚醒のメリハリをつけるためには、朝起きたら朝日を浴びて朝食をしっかりととることが大事です。太陽の光を浴びることで、身体が目覚めて日中活発に過ごせます。脳や身体を働かせるエネルギーのためにも、朝食をしっかりととりましょう。
朝すっきりと目覚めるためには質の良い睡眠をとることも大切です。夜寝れないからとスマートフォンやパソコンなどのブルーライトを発する機器の使用するのではなく、ヨガやアロマ、穏やかな音楽を聴く、半身浴などの自分なりのリラックス法でスムーズな入眠につなげましょう。
質の良い睡眠をとるためにも、日中は活動的に過ごしましょう。筋肉を動かす際のエネルギーとして酸素を利用する有酸素運動は、特に心身をリラックスさせてくれます。
少し汗ばむ程度のウォーキングや軽いランニング、サイクリング、ダンスなどの軽く息が弾む程度の運動を行いましょう。疲れすぎない程度の運動を継続して行うことが大切です。
自分の頭痛が起こりやすいタイミングを把握するために、気圧予報や天気痛予報を活用するのも有効です。頭痛が起こるときの気圧や天候を記録することで、どのような天候の変化で頭痛が出やすいのかを把握しやすくなります。
頭痛が出やすいパターンがわかると「処方されている薬を前もって飲む」「予定を調整する」などの予防対策が取りやすくなります。「明日は頭痛が来るかも」という心構えができるだけでも、精神的な余裕を持って頭痛に対処しやすくなるでしょう。
天気が悪いと起こる頭痛は背景に片頭痛があり、主に気圧の変化によって起こります。頭痛によって仕事や学校を休まなければならない場合もあり、片頭痛や天気痛は生活の質を大きく低下させる要因です。
片頭痛の症状を和らげ、生活の質の向上をめざせる治療法として「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」を使った治療があります。
日々の頭痛に悩む方、天気痛が辛い方、頭痛に悩まされない快適な日常を送りたいという方は、新宮町の頭痛外来のある「しろうず脳神経外科」にご相談ください。頭痛の原因についての診断や治療をしています。受診当日にMRI検査が可能であり、検査によって重大な病気を発見しやすく、近隣病院とも連携しやすい環境です。また各種薬剤により強い頭痛や慢性的な頭痛にも対応しています。頭痛が起こったときには、我慢せずに当院までお気軽にご相談ください。