こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
子どもが頭の痛みを訴えてきたときどうされていますか?
子どもは自分の言葉でうまく表現ができないため、正しい診断や十分な治療を受けられないことも多いです。
片頭痛は大人の病気と考えられがちですが、小児・思春期で最も多い慢性疾患の一つで、日本の小学生の3.5%、中学生の5.0%、高校生の15.6%に認められたというデータもあります。
今回は、子どもの片頭痛について詳しく紹介いたします。
子どもの片頭痛の特徴は?
頭の両側の特におでこのあたりが痛くなる
片頭痛というと、頭の片側のこめかみあたりが痛くなるのが典型的です。しかし、子どもの場合は両側であり、特におでこのあたり(前頭部)が痛くなります。
大人と比べて痛みの持続時間が短い
大人の片頭痛の持続時間は4~72時間と言われていますが、子どもの片頭痛の持続時間は1~72時間です。そのため、さっきまで頭痛で横になっていたと思ったら、ケロッとして遊んでいることも多々あります。
顔面蒼白、嘔吐、腹部症状などの頭痛以外の症状が目立つ
顔色が悪くなって座り込んだり、吐き気や嘔吐を伴ったり、腹痛を訴えることがあります。そのため、片頭痛とは気づかれないこともあります。
片頭痛は遺伝性の強い疾患で、特に母親の遺伝を受け継ぎやすい
片頭痛には遺伝的な要素があり、家族歴のある人により多く発生する傾向があります。特に母親が片頭痛の場合、子どもが片頭痛になる確率は高くなります。
(母親が片頭痛の場合、娘の約70%、息子の約30%に片頭痛が生じる)
子どもの片頭痛の治療は?
痛み止め(アセトアミノフェンやイブプロフェン)を試す
子どもの片頭痛は持続時間が短いため、1時間くらいで治ってしまいます。しかし、1時間以上続いてしまう子もいるため、その際には鎮痛薬の使用が勧められます。子ども安全に使用できるのはアセトアミノフェンとイブプロフェンです。
暗い静かな部屋で横になる
片頭痛が起こると安静が一番です。無理に動いたりすると頭痛が悪化します。片頭痛がみられる際には、部屋を暗くして休ませてあげましょう。
片頭痛は入浴で悪化することが多いので、頭痛がみられる際は入浴を控えましょう。
片頭痛専用の薬(トリプタン)を飲む
片頭痛治療薬であるスマトリプタン点鼻やリザトリプタン内服で効果が得られる場合があります。
頭痛を予防する薬を飲む
頭痛の回数が多く、不登校など日常生活に悪影響を及ぼしている場合には予防薬を普段から内服することもあります。しかし、片頭痛専用の予防薬はないため、他の用途で使われている薬を使用します。
子どもの片頭痛の予防には?
片頭痛の場合でも、緊張型頭痛の場合でも、子どもにまず勧められるのは薬に頼らない治療です。
そのためには生活習慣を見直さないといけません。
・早寝早起きをする
・睡眠時間を1時間多くする
・生活を見直し、おけいこ事などを整理して生活をシンプルにする
・食べものや光などの頭痛のきっかけを除く
上記のような対策をとっても頭痛が頻繁に起こることはあります。
当院は毎日頭痛外来を行っております。当日のMRI検査も可能ですので、迷われた際はお気軽にご相談ください。