こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
頭をどこかにぶつけたときにたんこぶってできますよね。その時みなさんだったらどうしますか?
冷やす方が多いと思います。
では、たんこぶの適切な対応ってなんだろう?
今回は、たんこぶについて詳しく解説します。
そもそもたんこぶって何?
たんこぶという言葉は医学用語にはありません。
医学的には”皮下血腫”という言葉を使います。
打ったところの皮膚の下の細い血管(毛細血管)が破れて、皮膚の下で出血します。その血が皮膚の下で溜まった状態がたんこぶなんです。
頭を打つとたんこぶができやすいのは、頭皮は血行が良く、皮膚の下には頭蓋骨があるため、溜まった血液が内側へいくことができずに、外側に広がって皮膚がふくらんでしまうからです。
たんこぶの適切な処置とは?
たんこぶは血が皮膚の下に溜まった状態です。そのため、たんこぶができ始めた時は、皮膚の下で出血している状態なんです。
その状態で温めてしまうと、血行がよくなってしまって、たんこぶの腫れがもっとひどくなる可能性があります。
打った直後は、冷やすのが適切な処置となります。
冷やすことのメリット
先ほど冷やすのが適切な処置と説明しましたが、冷やすという行為はどういったメリットがあるのでしょうか?
最大のメリットは腫れを軽減するということです。
冷やして血管を収縮することで、内出血の程度を軽くします。その結果、たんこぶの腫れが軽減されます。
もう一つのメリットとしては、痛い感覚を麻痺させることです。
頭や体をぶつけると痛いものです。ましてや、子どもは泣き続けることもあるでしょう。
そんな時何もできずに側にいるより、何かできることがあれば…と思っちゃいますよね。
冷やすことで、痛みを感じる感覚が鈍くなります。痛みの感覚が麻痺すれば、たんこぶのことも忘れたりできます。
逆に、打ってから数時間以内にお酒を飲むと、血行がよくなって悪化することがあります。
たんこぶを作るほど頭をぶつけた時は、お酒は控えましょう。
いつまで冷やすのがいいの?
冷やす目的としては、皮膚の下の内出血を抑えることです。
そのため、せいぜい数分〜1,2時間程度がよいでしょう。
あまり長く冷やし続けたり、時間が経ってしまってから冷やすと、組織の血行が悪くなってしまい、治癒に必要な酸素や栄養が不十分になってしまいます。
そうなるとたんこぶが治るのも遅くなってしまいます。
温めることはしなくていい?
打撲してから数分〜1,2時間で内出血は止まります。その後1,2日で腫れがピークとなります。
そのピークを迎えた後は、温めることで血行を良くし、組織の活性と再生を促す方が治癒には最適となります。
組織に酸素や栄養を補給し、老廃物を捨てるためには血行がとても大切になります。
冷やすべきタイミング、温めるべきタイミング
冷やすタイミング、温めるタイミングを判断するには、風呂に入って、たんこぶがズキズキ痛むかどうかで決めましょう。
ズキズキ痛む時は、まだ急性期であるため、冷やす方がよいです。
たんこぶが痛まずに、気持ちよい程度であれば、温めるタイミングとなります。
打った直後は冷やす、その後は温める
たんこぶができるほど打ったときは脳神経外科のある病院へ相談しましょう。
当院では受診日にすぐにMRI等の検査を行うことが可能です。特に高齢者においては頭を打ったすぐ後には出血がみられなくても、1ヶ月程度して徐々に血が頭に溜まってくることがあります。
頭部打撲した際は是非気軽に当院までご連絡、相談ください。