こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
今週は大寒波がやってきて、雪が降る可能性が高くなっています。
「雨が降る前に頭痛が来ます」「気圧が低くなっているのが頭痛でわかります」
当院の頭痛外来には上記のような相談で来られる方が多いです。
頭痛は天気と密接に関係しており、一般的に「天気痛(気象痛)」と呼ばれます。
今回は低気圧に伴う頭痛についてどのように対策していくか紹介していきます。
気象痛とは、天候や気圧の変化に伴って頭痛を引き起こす症状のことです。
実はそのメカニズムは、いまだにはっきりとはわかっていません。
気圧の低下や湿度の変化が関与しており、頭痛やめまい、体のだるさ、関節痛、耳鳴りなどの症状が現れます。
気圧の変化が耳の内耳を刺激し、交感神経系が興奮し、頭痛が引き起こされるという仕組みです。自律神経のバランスを乱すことで発生します。これによって、頭痛やその他の不調が引き起こされます。
頭痛には片頭痛(偏頭痛)、緊張型頭痛、群発頭痛など多くの種類がありますが、
低気圧が頭痛に与える影響は、とくに片頭痛が多いです。
低気圧が近づくと大気の圧力が下がり、血管が拡張しやすくなります。
この血管の拡張が神経を圧迫して、片頭痛を引き起こします。
また、低気圧は自律神経のバランスを乱すことで、片頭痛の発生を促進します。
さらに、セロトニンにも影響を与え、血管の急激な収縮や拡張を引き起こすことで片頭痛を悪化させることがあります。
睡眠・覚醒のメリハリをつけるためには、朝起きたら朝日を浴びて朝食をしっかりととりましょう。
太陽の光を浴びることで、身体が目覚めて日中活発に過ごせます。
朝すっきりと目覚めるためには質の良い睡眠をとることも大切です。
夜寝れないからとスマートフォンやパソコンなどのブルーライトを発する機器の使用するのではなく、ヨガやアロマ、穏やかな音楽を聴く、半身浴などの自分なりのリラックス方法でスムーズな入眠につなげましょう。
質の良い睡眠をとるためにも、日中は活動的に過ごしましょう。
筋肉を動かす際のエネルギーとして酸素を利用する有酸素運動は、特に心身をリラックスさせてくれます。
少し汗ばむ程度のウォーキングや軽いランニング、サイクリング、ダンスなどの軽く息が弾む程度の運動を行いましょう。
疲れすぎない程度の運動を継続して行うことが大切です。
自分の頭痛が起こりやすいタイミングを把握するために、気圧予報や天気痛予報を活用するのも有効です。
当院では片頭痛の方には「頭痛ダイアリー」を渡しています。
頭痛が起こるときの気圧や天候を記録することで、どのような天候の変化で頭痛が出やすいのかを把握しやすくなります。
頭痛が出やすいパターンがわかると「処方されている薬を前もって飲む」「予定を調整する」などの予防対策が取りやすくなります。
「明日は頭痛が来るかも」という心構えができるだけでも、精神的な余裕を持って頭痛に対処しやすくなります。
天気が悪いと起こる頭痛は背景に片頭痛があることが多いです。
頭痛によって仕事や学校を休まなければならない場合もあり、片頭痛や天気痛は生活の質を大きく低下させる要因となります。
片頭痛の症状を和らげ、生活の質の向上をめざせる治療法として「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」を使った治療があります。
日々の頭痛に悩む方、天気痛が辛い方、頭痛に悩まされない快適な日常を送りたいという方は、頭痛外来のある「しろうず脳神経外科」にお気軽にご相談ください。