片頭痛治療薬:Ca拮抗薬

こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

 

片頭痛は女性に多く、月〜年に数回不定期に起こる頭痛です。片頭痛の人口は10人に1人と言われています。

最も頻度の高い30歳女性では約20%に達すると言われており、決して特別な病気ではありません。

月に2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者には、予防薬が推奨されています。

今回は予防薬のひとつであるCa拮抗薬について詳しく見ていきましょう。

 

薬のイラスト「錠剤」

カルシウム拮抗薬(塩酸ロメリジン:商品名ミグシス)

ミグシスは、日本で開発されたカルシウム拮抗薬の一種です。

この薬の特徴は、副作用が少なく、日常的に使用しやすいことです。

 

作用メカニズム

片頭痛の原因の一つとして、脳血管の収縮が挙げられます。

ミグシスは、この脳血管収縮を抑制することで、片頭痛の予防に効果を発揮します。

また、血管透過性の改善効果もみられます。

このミグシスは脳血管に選択的に作用するため、脳の血管に選択的に作用するため、血圧低下等はみられません。

 

臨床試験での効果

ミグシスの臨床試験では、片頭痛発作の頻度、持続時間、そして片頭痛薬の使用量が有意に減少することが確認されています。

10mg/日の服用で64.4%、20mg/日の服用で66.7%の患者が効果を実感したと報告されています。

さらに、片頭痛に伴う閃輝暗点や悪心・嘔吐などの前駆症状や随伴症状にも30%程度の改善が認められています。

 

用法・用量

ミグシスの推奨用量は、成人の場合、1回5mgを1日2回、朝食後と夕食後、または就寝前に服用することが一般的です。

ただし、症状に応じて用量の調整が行われることがありますが、1日の投与量は20mgを超えないように注意が必要です。

ミグシスは、妊婦や授乳中の方には推奨されていません。

妊娠中の使用は避け、授乳中にどうしても必要な場合は、授乳を中止することが望ましいとされています。

また、臨床試験においては、有害事象の発生率がプラセボ(偽薬)と同程度であり、比較的安全性の高い薬であることが示されています。

 

副作用

徐脈心不全がありますが、頻度は低いです。

 

2025年04月24日