片頭痛予防薬:β遮断薬

こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

 

片頭痛は女性に多く、月〜年に数回不定期に起こる頭痛です。片頭痛の人口は10人に1人と言われています。

最も頻度の高い30歳女性では約20%に達すると言われており、決して特別な病気ではありません。

月に2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者には、予防薬が推奨されています。

今回は予防薬のひとつであるβ遮断薬について詳しく見ていきましょう。

 

β遮断薬(プロプラノロール:商品名インデラル)

作用メカニズム

β遮断薬の片頭痛予防効果の機序として、末梢血管や自律神経に対する作用が考えられており、血管を拡張させることで予防効果がみられます。動物実験では皮質拡延性抑制(CSD)の抑制効果が示されています。

 

インデラル(プロプラノロール)は、片頭痛の予防に使用されるβ遮断薬の一つです。

片頭痛予防が可能なβ遮断薬には、プロプラノロール以外にもチモロール、アテノロール、ナドロール、ビソプロロールなどが含まれますが、片頭痛に保険適用があるのは、プロプラノロールのみです。

 

用法・用量

1日20〜30mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は60mgまで漸増します。服用は2〜3回に分けて経口投与します。

妊娠中の片頭痛予防にも使えます。

 

副作用

起立性調節性障害や低血圧の方には慎重投与となります。

心不全喘息房室ブロックには禁忌です。

片頭痛の薬であるリザトリプタンとは併用禁忌です。(プロプラノロールはリザトリプタンの血中濃度を上昇させるため)

 

 

2025年05月08日