こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
突然の激しい頭痛で倒れたら、それは“くも膜下出血”かもしれません。
くも膜下出血は、脳の血管が破れて脳の表面に出血が広がる病気です。発症すると命に関わることも多く、後遺症が残るケースも少なくありません。
実は、その前に「前兆」といえる症状が現れることがあります。今回は、くも膜下出血の前兆症状や注意すべきサインについてわかりやすく解説します。

くも膜下出血は、脳を取り巻く「くも膜」という部分に出血が広がる病気です。主な原因は、脳の血管にできた動脈瘤が破裂することです。
・発症すると致死率が高い(およそ3人に1人が亡くなる)
・助かったとしても後遺症が残る可能性がある
・中高年女性や高血圧の方に多い
このように、非常に危険な病気であるため、前兆症状を見逃さないことが大切です。

「くも膜下出血は突然起こる」と思われがちですが、実際には数日前から警告のような症状が出ることがあります。
・今までにない激しい頭痛(警告頭痛)
→ 「バットで殴られたような」「人生で一番強い頭痛」と表現されることもあります。
・吐き気や嘔吐
・光がまぶしい、視力の異常(動脈瘤が視神経を圧迫する場合)
・意識がぼんやりする、一時的にけいれんが出る
⚠️ 特に「突然の激しい頭痛」はくも膜下出血の危険信号です。片頭痛や緊張型頭痛と間違えて放置しないことが重要です。

次のような症状があれば、救急要請(119番通報)をためらわずに行ってください。
・急に強い頭痛が出た
・頭痛と一緒に吐き気や嘔吐がある
・意識がもうろうとする
・手足がしびれる、力が入らない
「少し休めば良くなるかも」と様子を見るのは危険です。早期発見・早期治療が命を救います。
くも膜下出血を完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げる生活習慣はあります。
・高血圧の管理(減塩、定期的な血圧測定、薬の服用)
・禁煙・節酒
・定期的な脳ドック(MRI・MRA)で動脈瘤の有無をチェック
家族にくも膜下出血の既往がある人は特に注意
健康診断に加えて、脳のチェックも定期的に行うと安心です。
自身に動脈瘤があるかどうかを知っておくことは今後の生活をする上で非常に大事になります。
一度脳の検査を受けておきましょう。気になる方は当院までご連絡ください。
〇くも膜下出血は命に関わる病気で、重い後遺症を残すこともある
〇前兆として「突然の激しい頭痛」「吐き気・嘔吐」「視覚異常」などが出ることがある
〇少しでも疑わしい症状があれば、迷わず救急要請することが大切
〇日頃から血圧管理や脳ドックでのチェックを心がけることで、発症リスクを減らせる
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