認知症とビタミンの関係|改善・予防につながる栄養素とは

こんにちは、毎日もの忘れ外来をしている福岡県糟屋郡新宮町「しろうず脳神経外科」です。

 

もの忘れ外来をしていると、よく「認知症にならないためにはどうしたらいいのでしょうか?」という質問を受けます。認知症を予防するには様々な方法がありますが、そのうちの一つが食事です。

「ビタミンを摂ると認知症を予防できるの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。
最新の研究では、ビタミンB群(B12・B6・B1)や葉酸、ビタミンD が認知機能に関わっていることが分かってきています。不足すると認知機能の低下リスクが高まりますが、摂取すれば必ず認知症を予防・改善できるわけではありません。「不足しないように心がけること」が大切となってきます。

 

そもそもビタミンとは?

ビタミンのイラスト(栄養素)

ビタミンは、人間の体を正常に保つために必要な栄養素です。体内で作ることが難しいため、食事から摂取する必要があります。

  • 水溶性ビタミン(B群、Cなど):余分は尿として排出される → 不足しないように毎日摂取が大切

  • 脂溶性ビタミン(A、D、Eなど):体内に蓄積されやすい → 摂りすぎると過剰症に注意

 

 

認知症・認知機能に関係する主なビタミン5つ

ビタミンB12

  • 働き:神経や血液細胞を健康に保ち、DNA合成を助ける

  • 不足すると:貧血、筋力低下、歩行障害、抑うつ、認知症リスク上昇

  • 不足しやすい人:高齢者、ビーガン、肝疾患のある人

  • 多く含む食品:肉、魚、卵、牛乳

 

葉酸

  • 働き:DNA合成や細胞分化に関与

  • 不足すると:巨赤芽球性貧血、胎児の神経管閉鎖障害、認知症や動脈硬化のリスク増加

  • 不足しやすい人:野菜不足の人、妊娠中の女性

  • 多く含む食品:緑黄色野菜、豆類、果物

 

ビタミンB6

  • 働き:たんぱく質の代謝や神経伝達物質の生成を助ける

  • 不足すると:貧血、抑うつ、免疫力低下、皮膚の荒れ

  • 不足しやすい人:アルコール多飲者、腎疾患・自己免疫疾患のある人

  • 多く含む食品:鶏肉、魚、じゃがいも、果物

※研究では、血中のビタミンB6が高い高齢者は記憶力が良いと報告されていますが、サプリ摂取で改善するとは限りません。

 

ビタミンB1

  • 働き:炭水化物からのエネルギー産生を助け、脳や神経をサポート

  • 不足すると:疲労感、脚気、ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群(アルコール性認知症の一種)

  • 不足しやすい人:アルコール多飲者、糖質摂取が多い人、運動量が多い人

  • 多く含む食品:豚肉、豆類、玄米、全粒穀物

 

ビタミンD

  • 働き:骨や歯の健康維持、神経伝達や筋肉の働きを調整

  • 不足すると:骨粗鬆症、骨折リスク増加、認知症リスク上昇

  • 不足しやすい人:日光に当たる時間が少ない人、高齢者

  • 多く含む食品:魚類、きのこ類、卵黄

  • ポイント:日光浴で体内でも生成されるため、屋外活動が重要

 

 

認知症予防にビタミンは有効か?

 

現時点では、「特定のビタミンを摂れば認知症が治る・予防できる」とは言えません。
しかし、ビタミン不足は確かに認知機能低下や認知症リスクにつながるため、不足しないようにすることが予防の第一歩です。

認知症のお爺さんのイラスト

 

ビタミンを効果的に摂取するポイント

 

  1. バランスの良い食事を心がける(肉・魚・野菜・穀物をバランスよく)

  2. 過剰摂取は避ける(特に脂溶性ビタミンは注意)

  3. 日光浴を取り入れる(ビタミンDの生成に役立つ)

  4. 必要に応じてサプリメントを活用(食事で不足しがちな人は医師に相談)

 

 

まとめ

 

  • 〇ビタミンB群(B12、B6、B1)、葉酸、ビタミンDは認知機能と関係が深い

  • 〇不足すると認知症や認知機能低下のリスクが上がる

  • 〇摂取すれば必ず予防・改善できるわけではないが、不足しないことが重要

 食事や生活習慣を整えて、必要に応じて医師や栄養士に相談しながら、認知症予防に役立てていきましょう。

 

2025年09月10日