椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)とは|原因・症状・治療について

こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

 

椎骨動脈解離とは、首の血管の一つである「椎骨動脈(ついこつどうみゃく)」の壁が裂けてしまう病気です。
裂け目に血液が入り込み、血管が狭くなったり詰まったりすることで、脳の血流が悪くなり脳梗塞を起こすことがあります。

比較的若い世代でも発症することがあり、突然の後頭部の痛みやめまいなどで気づかれるケースも少なくありません。

今回は椎骨動脈解離について説明していきます。

椎骨動脈とは?

椎骨動脈は、首の後ろ(頚椎の中)を通って、脳の後ろ側(小脳や脳幹など)に血液を送る大切な血管です。
左右に1本ずつあり、後方循環(脳の後ろ半分)を支えています。

 

 

椎骨動脈解離の原因

椎骨動脈解離は、次のようなことがきっかけで起こることがあります。

  • ・首を急にひねった、反らした
  • ・スポーツ中のけがや転倒
  • ・交通事故などの外傷
  • ・マッサージや整体で強く首を動かした
  • ・特別な原因がなく自然に起こる(特発性)

血管の壁がもともと弱い体質の方や、高血圧のある方は起こりやすい傾向があります。

 

 

主な症状

椎骨動脈解離の初期は、痛みだけで気づかれにくいこともあります。
以下のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 後頭部の痛み(片側の首筋〜後頭部にかけて)
  • 首のこりや違和感
  • めまい・ふらつき
  • ものが二重に見える(複視)
  • ろれつが回らない、飲み込みにくい
  • 手足のしびれ、力が入りにくい

これらの症状は、脳の後ろ側(小脳・脳幹など)への血流が一時的に悪くなることで起こります。

 

検査方法

病院では、次のような画像検査で診断します。

  • ・MRI/MRA検査:血管の壁にできた血腫や狭くなった部分を確認します。
  • ・CTアンギオ(CTA)検査:短時間で血管の形や血流の状態を詳しく調べます。

早期に診断することで、脳梗塞を防ぐことができます。

 

 

治療について

多くの場合、薬による治療と安静で自然に回復します。

薬の治療

抗血小板薬や抗凝固薬を使い、血のかたまり(血栓)ができるのを防ぎます。

安静

首を無理に動かさないようにし、安静を保ちます。
急な首の動きや強いストレッチは避けてください。

安静にしている人のイラスト

血管内治療(ステントなど)

ごくまれに、血管が膨らんで破裂する危険がある場合などは、ステントやコイルを使った血管内治療を行うこともあります。

 

 

日常生活での注意点

  • ・首を急にひねったり反らせたりしない
  • ・マッサージや整体は医師の許可が出るまで控える
  • ・血圧を上げすぎないよう注意(ストレスや喫煙を避ける)
  • ・定期的にMRIなどで経過観察を受ける

 

 

経過・予後

椎骨動脈解離の多くは、数週間〜数か月で自然に治癒します。
しかし、まれに再発や動脈瘤の形成を伴うことがあるため、定期的なフォローアップが大切です。

 

 

すぐ受診が必要なサイン

次のような症状が出た場合は、脳梗塞のサインである可能性があります。

  • ・突然の頭痛・首の痛み
  • ・めまいやふらつきが強い
  • ・ろれつが回らない、手足のしびれ・力が入らない

上記のような症状が出た際は、ためらわずに、すぐ医療機関を受診してください。

椎骨動脈解離は、首の動きや血管の弱さがきっかけで起こることがあります。
「たかが首の痛み」と思わず、急な後頭部痛やめまいがあるときは早めの受診をおすすめします。
早期発見・早期治療で、多くの方が後遺症なく回復できます。

 

2025年12月19日