こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
朝起きた時から頭痛がみられることはありませんか?片頭痛や緊張型頭痛に伴う頭痛の可能性も十分にありますが、いびきをかくことで頭痛がみられることがあります。
いびきとは、睡眠中の呼吸による空気の出入りによって、鼻や喉の粘膜が振動して引き起こされます。睡眠中に喉のまわりの筋肉の緊張がゆるんで上気道が狭くなる人に多く、男性で20%、女性で5%の日本人が習慣的にいびきをかいていると言われています。
特に呼吸障害や睡眠障害がみられず、疲れた際やお酒を飲んだ際にみられるものは、「単純性いびき」と呼ばれます。この単純性いびきであれば問題はないのですが、ひどくなると睡眠時無呼吸症候群と言われる病気になります。
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査、治療を行っています。疲れた感じが続く場合は、ぜひ一度検査することをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群には「閉塞性」と「中枢性」の2つのタイプがあります。
「閉塞性」は上気道が何らかの要因でふさがれて呼吸ができない状態で、「中枢性」は呼吸中枢の機能に問題が起き、呼吸をする指令が脳から送られない状態です。
脳梗塞と睡眠時無呼吸症候群の関係
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中や心疾患に大きく関連します。
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が止まることにより、血液中に取り入れられる酸素量が大幅に減り、血液中の酸素濃度を表す「動脈血酸素飽和度」が呼吸不全状態と同様にまで落ち込みます。しかも、この酸素不足を補うため、心拍数が跳ね上がり、血圧も急激に上がります。
普段起きているときに息をこらえると苦しくなり、心臓、脳、血管に大きな負担がかかります。
この状態が、1晩に何度も繰り返されるのです。
治療を行わなければ1晩だけでなく、数年にわたって続きます。
実際、睡眠時無呼吸症候群があると、心筋梗塞になる確率は約3倍、脳梗塞になる確率は約4倍といわれています。
特に注意が必要な“いびき”の特徴
単純性いびきであれば、治療の必要はないですが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群になると治療が必要になってきます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に大きないびきをかき、10秒以上無呼吸の状態が続きます。この無呼吸と低呼吸(呼吸が浅い)の数が睡眠1時間あたり5回以上見られるようになり、そのため、日中にこらえきれないほどの眠気や倦怠感を感じます。
いびきや無呼吸については、本人は気付きにくいので、家族からの指摘が大切となります。
当院では睡眠評価装置「パルスリープ」という自宅で寝る時に測定器をつけることで検査できる簡易検査を行っております。
検査の結果、睡眠時無呼吸の程度が重度である場合、CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)での治療が必要となります。
当院では、睡眠時無呼吸外来を行っており、パルスリープでの検査からCPAPの導入・通院加療まで行っております。
いびきと関連があるさまざまな病気
睡眠時無呼吸症候群があると、脳卒中のみならず、蓄積された負担によって、高血圧症、狭心症、慢性心不全、不整脈、糖尿病といった病気を併発する原因となります。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい人とは?
生活習慣
睡眠に関連するのが何といっても生活習慣です。
暴飲暴食や、頻繁な喫煙・飲酒がある人、睡眠薬を常用している人や過労傾向にある人は、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすくなります。
肥満
肥満は軟口蓋や喉にも脂肪がつくことで、上気道を狭くしてしまいます。そうすることで睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。最近急激に太った人や、学生時代に比べて10キロ以上太った人は注意が必要です。
見た目、首の太さ
顎が小さい、下顎が後方に引っ込んでいる、小顔、二重顎、舌が大きい、扁桃腺肥大がある。このような方は気道が狭くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。
当院では睡眠時無呼吸に対しての検査、CPAPの導入を行っております。
体の疲れが寝てもとれない場合、体重の急激な増加によるいびきがみられる際は、お気軽に当院までお問い合わせください。