こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
皆さんはめまいを体験したことはありますでしょうか?
めまいは目の前がくるくると回転する回転性めまいをイメージしてしまいますが、ふわっと浮くような感覚やじっとしているのに周りが動いているように感じるのもめまいの一種です。
よく外来でめまいはなんで起こるのか質問を受けることがあります。
めまいの原因としては中枢性めまいといって脳が原因となる場合と、末梢性めまいといって主に耳が原因となるめまいがあります。
脳が原因となる中枢性めまいの場合は命に関わる危険性があるため、めまいを生じた時は脳の検査で中枢性めまいでないことを確認することが必要となります。
末梢性めまいは、三半規管が弱くなっていることが原因で起こっているかもしれません。
三半規管は主に平衡感覚障害の原因とされます。
今回は、めまいの原因となる三半規管が弱くなることについて詳しく見ていきます。
三半規管の主な働き
耳の中は、外耳、中耳、内耳の3つに分かれています。
三半規管は内耳にあり平衡感覚をつかさどる器官であり、半円形の3つの管があり、それぞれ前半規管、外側半規管、後半規管といいます。この三半規管にはリンパ液が入っており、体が動くことでリンパ液に流れが生じて三次元の回転運動を感知するのです。
また、内耳にはもう一つ耳石器と言われるものがあります。
耳石器は卵形嚢と球形嚢にわかれており、中には炭酸カルシウムでできた耳石という石が詰まっています。
体を動かすことにより耳石が動いて横方向と縦方向の直線運動を感知します。
この感知により、前庭感覚という自身の体の傾きやスピード、回転を感じる感覚を得ることができます。
内耳は瞬間瞬間の体の動きを察知し、体の筋肉を調整して、倒れないようにバランスをとってくれます。
三半規管が弱くなると生じやすい症状
めまい
めまいは大きく2種類に分けられ、自分自身や周囲がぐるぐる回っているように感じる回転性めまいと、もう一つは体がフラフラしたり、ぐらついたりする浮動性めまいがあります。
回転性めまいは耳の異常から生じやすく、最も多いのが良性発作性頭位めまい症です。
これは、耳石器の一部が剥がれ、体の回転加速度を感じる感覚器である三半規管に入り込むことによって起こると考えられています。
朝、寝床から起き上がるときや、頭を動かす時に、回転性のめまいが起こります。
めまいの持続時間は1分以内のことが多く、安静にしているとおさまります。
めまいは繰り返しますが、2週間〜1ヶ月くらいで自然治癒します。
良性発作性頭位めまい症の次に多いのがメニエール病です。
メニエール病は、内耳にあるリンパ液が増えて、むくみ(浮腫)を起こした状態です。
ただ、むくみの原因はわかっていません。
めまいや吐き気のほか、耳鳴りや難聴、耳の閉塞感といった症状が現れることがあります。
めまいの持続時間は数十分から数時間と比較的長いのが特徴です。
乗り物酔い
乗り物酔いには耳、目、脳などが関係しています。
車やバス、電車、船など乗り物の揺れにより不規則な加速・減速の反復を受ける内耳からの情報と、それとは異なる情報を目または体から受けて脳が混乱します。脳が混乱することによって起こる自律神経系の病的反応で、めまいや吐き気・嘔吐などの症状があらわれます。
三半規管と耳石器でとらえられた体の位置・揺れやスピードなどの情報は脳へと伝えられますが、乗り物による不規則な加速・減速、発車や停車の繰り返し、右折・左折や曲がりくねった道などによる前後左右上下への揺れなどが過度に生じると、脳への情報量が過剰になったり、耳がとらえた情報と実際に目から入る情報とにズレが生じたりすることになります。
すると、脳が情報を処理しきれなくなり、心臓や血管など循環器や胃や腸などの消化器をコントロールしている自律神経の働きが乱れることで、冷や汗や胃の不快感を始め、さまざまな乗り物酔いの症状を招きます。
また、自律神経の乱れは嘔吐中枢を刺激し、吐き気や嘔吐といった症状をもたらします。
立ちくらみ
立ちくらみは、血圧制御の異常が原因で引き起こされます。
正常な場合は、立ち上がると、重力により脚や体幹の静脈に血液が溜まります。
しかし、血液が身体の下の方に溜まることで血圧が下がり、心臓から脳に送り出される血液の量が減少し、脳に流れる血液が減ることで、めまいなどの症状が起こります。
三半規管が弱くなる原因
加齢による機能低下
年齢を重ねると三半規管だけでなく、身体のさまざまな器官が衰えます。
耳の三半規管や耳石器は加齢により感覚細胞の数が減っていきます。
耳石器は50歳以上、三半規管は70歳以上になると加齢変化が現れると言われています。
そのため、トレーニングや運動で加齢による衰えを少しでも食い止めることが必要となります。
ストレス・過労
ストレスでも三半規管は弱ります。ストレスが多いとアドレナリンという興奮性のホルモンが分泌されます。
アドレナリンにより血管が細くなり血流が悪くなります。
そして三半規管に血が足りなくなり、酸素が不足してしまいます。
三半規管はストレスに弱い器官であり、三半規管の機能が低下してしまいます。
適度な運動やリフレッシュする時間を設けるなどしてストレスを抱えないようにしましょう。
睡眠不足
睡眠不足があると、身体にストレスがかかります。
ストレスが多く交感神経ばかりが活発な状態が続くと三半規管への血液量が不足し、三半規管の機能が弱まります。
規則正しい生活を心がけて自律神経の乱れを正すことが大切です。
三半規管を鍛えるには
三半規管を鍛えるには平衡感覚を養うことが大切です。
前転や後転などのマット運動やトランポリン、ブランコ、すべり台などは平衡感覚を養い、揺れやスピードを体験できます。
・回転イスに座って少しだけゆっくり回す
・布団の上で前転をする
・自転車に乗る
・プールでぷかぷか浮かぶ
・片足立ちをして目をつぶる
・トランポリンをする
上記のことをすることで三半規管が鍛えられていきます。
また、後ろ歩きや目をつぶって歩くことも平衡感覚を鍛えられるのでおすすめです。
めまいをよく感じる方は自分に合った方法を選んで、無理のない程度から始めていきましょう。
若くてもめまいやふらつきが生じる場合には、生活習慣やストレス、過労などが原因となり、三半規管が弱まっているのかもしれません。
当院ではめまいやふらつきに関しても診察しております。
めまいやふらつきの症状が続く場合には、お気軽に当院までご相談ください。
新年あけましておめでとうございます。
2023年10月17日に開業し、早1年が過ぎ、2回目の新年を迎えました。
昨年中は多くの方にご利用いただき、心より感謝申し上げます。
今年もより一層地域に寄り添う脳のホームドクターとして、皆様が気軽に相談できるようなクリニックを作っていきたいと思っております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
疲れた時や、運動した後などにエナジードリンクを飲んだことありませんか?
1本のみならず2-3本一気に飲む方もいらっしゃると思います。時々ならばよいのですが、頻度が多いと危険性があります。
今回はエナジードリンクの危険性について詳しく見ていきましょう。
脳の働きに作用する神経伝達物質
我々の脳の中では、細胞から細胞へ情報が伝えられることで、身体の機能が働きます。
この細胞から細胞へと情報をつなぐ部位をシナプスと言い、シナプスの間を行ったり来たりするのが神経伝達物質となります。
神経伝達物質は促進に働くものと、抑制に働くものがあります。
約20種類くらいあるとされており、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、GABA、グルタミン酸、ヒスタミン、オレキシンなどが挙げられます。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンはドーパミンの代謝産物となります。
ノルアドレナリンは副腎皮質で代謝変化してアドレナリンとなります。
そのため、ノルアドレナリンとドーパミンは非常に関連がある神経伝達物質といわれています。
ノルアドレナリンは、脳の覚醒を促して高い機能を発揮するための神経伝達物質とされています。
ノルアドレナリン量が過剰になると、不安や恐怖、焦燥や取り乱す状態が出現し、代謝物であるアドレナリンも増えることで、頻脈や冷汗などが出現し、その不安や焦燥は助長されることになります。
逆にノルアドレナリン量が過少になると、覚醒度が低下し、睡眠障害が生じます。
多くの場合、レム睡眠相が変化し、入眠直後にレム睡眠が発現するため熟睡が妨げられることになります。
ドーパミン
ドーパミンのシナプス間隙への過剰な放出が起きることで、実際には存在しない刺激があったかのように伝達が生じ、その信号を受け取った脳の各部は存在を感じてしまいます。
この信号を受け取った部分が反応することによって、幻聴や幻視などの幻覚や妄想といった症状を作り出してしまいます。
逆にドーパミンの放出量が少なくなると、意欲障害や認知機能障害などの症状が出現します。
セロトニン
セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から合成されます。
必須アミノ酸は、体内では大量に作り出すことができません。そのため、食物などから大半を摂取しなければならないのです。
トリプトファンは、一般的にはタンパク質を多く含む食材に多く含まれており、肉や魚といった動物性タンパク質や豆類などの食物性タンパク質に多く含まれています。
セロトニンは、他の神経伝達物質によって行われる精神活動を監視して、不安定な状態を補正して精神状態の安定化を図ります。
セロトニンの量が不足すると、すべての機能が低下することになり、身体機能面では、体温調節不全、血管の収縮機能の変化による血圧変動や血管性の頭痛、腸管蠕動不全による下痢や便秘などの症状となって現れます。
精神活動の変化としては、抑うつ気分、不安、脅迫観念、パニック発作、睡眠障害、食欲の異常などを引き起こします。
GABA
神経伝達物質のGABAは、γアミノ酪酸の略称です。
GABAの神経伝達物質としての機能は、興奮に対する抑制と言われています。
脳内で興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸から脱炭酸酵素によりつくられるのですが、グルタミン酸とGABAの機能は真逆となります。このような生合成経路にすることで神経の興奮と抑制のバランスを取っているのです。
GABAは役目を終えると分解酵素によって、他のアミノ酸を効率よく合成する回路に取り込まれて新しいアミノ酸へと姿を変えます。
外的な過剰な刺激を察知すると、脳の大脳辺縁系においてストレス反応系神経ネットワークの興奮が高まります。さらに刺激量が増すか、刺激継続が一定以上の時間を超えると、過剰な神経興奮反応を抑えるという安全機構が備わっています。
その生体機能の防御機構は、抑制系神経といわれており、その神経系等を神経伝達物質であるGABAが調節しています。
オレキシン
オレキシン神経は視床下部に存在し、そこから脳と脊髄のほとんどの領域に軸索を投射しています。
オレキシンが欠損すると、覚醒を維持できずに場所や時間を選ばずに眠ってしまうナルコレプシーという睡眠障害になってしまいます。
また、オレキシンが欠損すると痛みを感じやすくなり、普段は痛みとして感じないような刺激でも痛く感じるようになります。
逆にオレキシンが活性化すると、痛みを感じにくくなるために、痛みを感じるような刺激でも痛さを感じないようになります。
スポーツなどの運動活動時や興奮時には、オレキシンが活性化していると考えられ、痛みを感じにくくなりますが、落ち着いてくると痛みを感じ始めます。
エナジードリンクの危険性
エナジードリンクで覚醒するメカニズム
カフェインは、脳内で眠気を作り出すアデノシンという物質をブロックします。
これにより中枢神経を覚醒させることにより、集中力の向上、眠気、倦怠感の抑制を引き起こすのです。
しかし、これは疲労が回復していくわけではなく、一時的に自分のパフォーマンスを上げている状態で、過剰に摂取してしまうとカフェイン中毒になってしまいます。
エナジードリンクには、1本あたり約80-140mgのカフェインが含まれています。
コーヒー1杯あたり80-90mgのカフェインが含まれていることと比較すると、そのコーヒーよりも多く含まれていることがわかります。
カナダ保健省では健常な成人は最大400mg/日(コーヒーをマグカップ(237ml入り)で約3杯)までとすると推奨されています。
そのため、3本以上飲むとカフェイン中毒になる可能性が高くなります。
カフェイン中毒
カフェイン中毒とは、一度にカフェインを過剰に摂取すると急性中毒が起こり、摂取することをやめられなくなってしまうことです。
初期の中毒症状は、精神症状では緊張、知覚過敏、多弁、不安、焦燥感、身体症状では胃痛、胸痛、吐き気、心拍数増加、呼吸促迫などが挙げられます。
重度となってくると、精神症状では精神錯乱、妄想、幻覚、パニック発作、衝動性、身体症状ではけいれん、頭痛、過呼吸などが挙げられます。
1グラム程度の摂取で中毒症状が人によって出始め、2グラムの摂取で多くの人に中毒症状が出てきて、5グラムの摂取で重篤な副作用が発生し、7グラムの摂取で致死量に至るとされています。
2011年度から5年間に101人が救急搬送され、7人が心肺停止となり、3人が死亡となるほど危険です。
エナジードリンクは安易に入手できるため、ついつい飲んでしまいたくなりますが、飲み過ぎには注意していきましょう。
こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
痛み止めとしての鎮痛薬はさまざまな種類があります。
頭痛外来をしていて「〇〇の方が強いと言われているから」「〇〇を飲むと胃を荒らすから」という言葉をよく聞きます。それでは痛み止めの強さはどう違うのでしょうか?
今回は、鎮痛薬の強さランキング、頭痛に効くのか、副作用について詳しく見ていきます。
第1位:トラマドール(トラマドール、トラムセットなど)
効果:オピオイド受容体への結合、モノアミン再取り込み阻害作用により強い痛みを抑える働きがあります。
通常、非オピオイド鎮痛剤で治療困難ながん疼痛、慢性疼痛の治療に用いられます。
副作用:頭痛 、 傾眠 、 浮動性めまい 、 悪心 、 嘔吐 、 便秘 、 食欲減退 、 口渇 、 倦怠感 、 浮腫
トラマドールは、鎮痛作用がとても強いですが、主な副作用として頭痛があります。
そのため、頭痛がある方は、この薬は極力避けるようにしましょう。また、頭痛を抑える目的で使うことは控えましょう。
第2位:ジクロフェナク(ボルタレン錠、ボルタレンSR、ボルタレンサポ)
効果:切り傷、火傷、打撲、骨折、抜歯後の痛み、一部の頭痛、生理痛、関節リウマチなどの炎症性の痛みなどの「侵害受容性疼痛」と呼ばれる痛みに対して主に効果を発揮します。
副作用:浮腫 、 食欲不振 、 胃痛 、 腹痛 、 下痢 、 口内炎 、 口渇 、 便秘 、 出血傾向 、 皮膚そう痒症 、 発疹
ボルタレンは頭痛に効かないということではありません。
しかし、ボルタレンの添付文書には「頭痛」に対して効果を示す旨は記載されていないです。
ボルタレンはロキソニンより効くまでの時間が遅いですが、鎮痛効果が強いとも言われています。
実際のところは個人の相性の問題となりますので、それを踏まえて選ぶ必要があります。
第3位:ロキソプロフェン(ロキソニン)
効果:炎症が起きている時に作られるプロスタグランジンなどの活性物質を抑制することによって、解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用が発揮されます。
副作用:浮腫 、 発疹 、 そう痒感 、 胃部不快感 、 食欲不振 、 下痢 、 便秘 、 胸やけ 、 口内炎 、 口渇
・胃潰瘍
プロスタグランジンは胃粘膜を保護する作用があります。そのため、非ステロイド抗炎症薬によりプロスタグランジンの合成が抑制されることによって、引き起こされる危険性が上がります。長期間にわたり内服する場合には胃薬を併用することが望ましいです。
・腎機能障害
同じようにプロスタグランジンなどの抑制により腎血流が低下することや薬剤自体の副作用の可能性が考えられています。もともと腎機能が低下している方や多数の薬剤を内服していることが危険因子であり、用法用量を守って内服することが必要です。
・喘息
詳しいメカニズムは解明されてはいませんが、薬剤に対する過敏な反応と考えられています。アスピリン喘息とも言われます。
第4位:セレコキシブ(セレコックス)
効果:炎症部位のシクロオキシゲナーゼ-2を選択的に阻害してプロスタグランジンの合成を抑えることで、消炎・鎮痛作用を示す薬です。関節リウマチや変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎などの治療に用いられます。また、手術後、外傷後、抜歯後の消炎・鎮痛にも使用されます。
副作用:β2-マイクログロブリン増加 、 消化性潰瘍 、 倦怠感 、 口渇 、 末梢性浮腫 、 傾眠 、 頭痛 、 浮動性めまい 、 味覚異常 、 ALT増加
セレコックスの副作用のひとつに頭痛があります。そのため、片頭痛や緊張型頭痛などの鎮痛目的には使用しません。セレコックスはロキソニンと比較し、胃や腸に対する負担が軽くなるように設計されています。
そのため、鎮痛効果に関してはロキソニンより劣ります。
第5位:アセトアミノフェン(カロナール)
効果:脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛の症状緩和に利用できます。
子どもや妊婦・授乳中の方でも使用でき、胃腸の影響が少なく、眠気を起こさないことが特徴です。
内服では1〜2時間後で血中濃度が最高に達し、8時間で血中から消失します。
副作用:
・肝機能障害
アセトアミノフェンは肝臓で代謝される薬であり、長期間、多くの量を使用すると肝機能障害を起こすことがあります。アルコール肝炎など肝機能がもとより悪い方は注意が必要です。
・他の薬剤の作用増強や減弱
薬の代謝の関係でリチウム製剤や一部の高血圧の薬、ワルファリンなどの作用が増強したり、減弱したりすることがあります。
頭痛に効果的であるのは、ロキソニン、カロナールがメインとなってきます。NSAIDsとしてナイキサンや、ピリン系を含む4つの有効成分からなる解熱鎮痛薬としてSG配合顆粒など当院ではさまざまな鎮痛薬を取り扱っております。
頭痛でお困りの際は、当院へお気軽にご相談ください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
頭が痛い・・・。
痛みがあるから頭痛薬飲んだのに全然痛みがひかない!!
または頭痛薬は何を飲んだらいいのかわからない。そんな悩みはありませんか?
今回は頭痛薬が効かない理由について詳しく解説していきましょう。
頭痛薬が効かない理由
頭痛薬が効かない原因としては主に3つあります。
①服用するタイミングの問題
第一に薬を服用するタイミングです。薬の服用のタイミングは非常に重要です。
通常は痛みが出現し始めた1時間以内に飲むが良いとされています。
痛みを我慢することによって、体の中で痛みの原因物質が増加してしまい、鎮痛薬が効かない場合があります。
そのため、痛みを感じ始めたらすぐに服用するよう心がけましょう。
②薬を使い過ぎている
2つめの原因としては、痛み止めの薬を使用することが多い場合です。
鎮痛薬を使用することが1ヶ月に10回以上を超えた場合には、薬物乱用頭痛になるリスクが上昇します。
過度に鎮痛薬を使用すると、神経が過敏になりかえって頭痛が悪化する場合があります。
薬物乱用頭痛の症状としては、ひと月の半分以上もの間を締め付けられるような持続的な頭痛で苦しみ、加えて片頭痛のような発作性の激しい頭痛が起こることもあります。
市販の鎮痛薬はすぐに入手が可能であり、痛くなりそうだからと習慣的に飲んでしまいがちです。
市販の鎮痛薬や急性治療薬の使用を繰り返すうちに、徐々に薬が効かなくなり、薬の種類を変える・量を増やすなどしても効果が乏しく、ほぼ毎日のように薬を服用する方も珍しくありません。
薬物乱用頭痛に苦しむ方は、そうでもしなければ痛みに耐えることができず、生活もままならない状態だからこそ鎮痛剤を乱用するのですが、そのうちほとんどすべての市販薬が効かなくなるか、効いたとしてもほんのわずかな時間だけになってしまいます。
市販薬を服用しすぎる人の特徴としては、中度〜重度の片頭痛に悩まされた結果、仕事や学校、家事などの社会生活を行うため、早めに鎮痛剤を使用する癖がついたり、服用量が増えてしまったりという傾向があります。
このような頭痛で悩まされている方は当院へお気軽にご相談ください。
中度〜重度の片頭痛は、治療薬(トリプタン)・予防薬・予防の注射(ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤))があり、鎮痛薬に頼り切らずに頭痛を起こりにくくすることが可能です。
③薬が合っていない
3つめの原因としては薬が合っていない場合です。
頭痛薬にはさまざまな種類があり、効果の強さや効き方、作用時間等もさまざまです。
数ある頭痛薬の中から自分に合った薬を探していくことも大切です。
当院ではさまざまな種類の鎮痛薬を揃えており、ご自分に合った鎮痛薬を探していくのをお手伝いしています。
頭痛薬が効かなくてお悩みの方はぜひ当院までお気軽にご相談ください。
また、いつもの頭痛薬とは異なる頭痛薬を試しても症状が改善されない場合には、重大な病気が潜んでいるかもしれません。一旦、服用をやめて速やかに脳神経外科を受診しましょう。
いかがでしたでしょうか?頭痛はきついものです。
当院では、頭痛を専門的に診察する頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」の治療も受けられます。
頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」までお問い合わせください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
まぶたがピクピクと勝手に動くという経験はありませんか?
止めようと意識してもなかなか止まりません。このピクピク勝手に動くのは何か病気なのでしょうか?
今回はこのようなまぶたがピクピクする原因について詳しく見ていきましょう。
まぶたが痙攣するのはなぜ?
まぶたが痙攣するのは、眼輪筋という筋肉が攣縮することによって起こるとされています。
まぶたの痙攣には3つのタイプがあります。
①突然まぶたの一部がピクピクと痙攣するが、目は普通にあけることができ、数分間で収まるタイプ
テレビ・インターネット・ゲーム・読書など目を長時間酷使することや、ドライアイ・睡眠不足などが原因と考えられています。また、コーヒーやアルコール摂取が誘因となる場合もあります。
特に疲労時によく起こりますが、たいていは1〜2週間ほどで治りますので十分な睡眠・休養をとり、心と体をリラックスするように心がけましょう。
もし、まぶたの痙攣がずっと持続する場合は、他の病気の可能性がありますので速やかに医療機関を受診しましょう。
②両方のまぶたが痙攣するタイプ
このタイプを眼瞼痙攣といいます。常に目がショボショボし、瞬きが多く、室内でもまぶしくサングラスを使用しないと生活できない場合もあります。
徐々に症状が進行し、自分で目を開けようと思っても開けにくく、時には指でまぶたをもちあげるようになります。
また、視界がせまくなるだけではなく、他人と関わることがストレスになることもあります。
異常なシワが出て美容上も気になります。軽い瞬きをしようとしても強い瞬きしかできない、早い瞬きができない、強い瞬きをすると目を開ける時に痙攣するといった場合は眼瞼痙攣の可能性があります。
③片方の口や頬の周りも痙攣するタイプ
このタイプは片側顔面痙攣といい、顔面神経の走行経路の途中で血管や腫瘍などに圧迫されて発症します。
まぶたがピクピクする原因
眼精疲労
眼精疲労というのは、一般にいう疲れ目が病的な状態になったものです。
長時間の仕事や勉強で目を酷使すると、気付かぬうちに目に大きな負担がかかっています。
目が痒かったり充血したり、視界がぼやけたり二重に見えたりするのは、目が疲れている証拠です。
十分に休んでも目の違和感がとれない場合、眼精疲労の可能性があります。
眼精疲労は疲れ目と異なり、悪化すると首・肩の凝りや頭痛・吐き気・倦怠感など全身に症状が現れます。
原因は目の酷使だけでなく、ドライアイや白内障などの病気、ストレス・生活環境、近視・乱視・老眼に伴う眼鏡やコンタクトレンズの不適合など様々です。
眼精疲労が疑われる場合は、眼輪筋をリラックスさせ、目の疲労を軽減するための点眼薬や内服薬を用いて治療することが必要となります。
眼瞼ミオキミア
眼瞼ミオキミアは、眼輪筋という筋肉の攣縮が不随意に起こる状態で、通常片眼性であり、肉体的精神的ストレスが原因となります。
疲労の他、目の表面を刺激するような状態(結膜炎、ドライアイ、逆さまつげなど)があっても起こりやすくなります。
有効な治療法はなく、ストレスを緩和するために、適度に目を休める、十分な睡眠時間を確保する、カフェインを控えるといった対策をとりましょう。
眼瞼痙攣
目のまわりの筋肉が過剰に動き、まばたきがうまくできなくなる病気です。
症状は通常、両目に起こることが多いと言われています。
初めは目に違和感を覚え、その後まばたきの増加やまぶたの痙攣などの症状がみられるようになります。
放置すると次第に進行し、最終的には自分の意志で目を開けていられなくなります。
症状の進行は早くありませんが、放っておいても治りません。
眼瞼痙攣は40代以降の女性に多いため、更年期に見られる症状の一つであると思い込み、放置してしまう人もいるようです。
しかし、更年期と眼瞼痙攣は基本的に関係がありませんので、気にある症状がみられたら眼科を受診しましょう。重症の場合はボツリヌス注射で治療することもあります。
片側顔面痙攣
片側顔面痙攣とは、自分の意志と関係なく顔面の筋肉が痙攣する病気です。
多くの場合、顔の片側だけに痙攣が起こります。
顔面にある筋肉の運動を司る顔面神経の付け根が、血管や腫瘍などで圧迫されることで起こると考えられています。
中年の女性に多くみられ、通常片方の目の周囲から痙攣が始まり、その範囲が次第に頬や口元へと広がっていきます。
症状が軽い場合は、基本的に治療を行わず経過観察となりますが、気にある方は病院で相談してみるとよいでしょう。
頭部MRIで精査を行い、血管や腫瘍が顔面神経を圧迫していないかを確認します。著名に効果がある内服薬は現在のところありません。
症状が強い場合には、ボツリヌス注射で筋肉の痙攣を止める治療や、顔面神経を圧迫している血管をずらす手術を行うことがあります。
当院ではボツリヌス注射での治療を行っております。顔面神経を圧迫している血管をずらす手術に関しても適切な医療機関へ紹介いたします。お気軽にご相談ください。
チック
本人の意志と無関係に急に体の一部が繰り返し動いてしまう病気です。
まばたきや咳払い、首振りや奇声などがあります。また、チックが起こる前には、その動作をしたいという強い衝動が生じます。
この衝動は、くしゃみをするときや、かゆいところをかきたくなるときの衝動に似ており、チックを起こすと、その衝動は一時的に落ち着きます。
小児や青年期に発症することが多く、片側顔面痙攣に似た症状が出ますが、これらの症状は基本的に自分の意志でコントロールできるため、多くの場合自然に消失していきます。
チックの発症には脳機能のかたよりや障害が深く関わっていると考えられており、チックを引き起こす緊張状態や不安を軽減することで症状が和らぐ場合があります。
しかし、大人になっても症状が持続したり、再発する場合もあります。
まぶたがピクピクする原因は上記のようにさまざまあります。
長時間パソコンやスマホを利用している場合には、目を休めることで改善することが多いです。
まぶたがピクピクする動きが止まらない場合や、長い期間続く場合には、当院へお気軽にご相談ください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
もやもや病という言葉を知っていますか?
2002年度までは“ウィリス動脈輪閉塞症”が日本における正式な呼び名でしたが、今ではもやもや病が正式な呼び名となっています。
私は九州大学大学院の時に、もやもや病についての研究を行っていました。(研究の論文はこちら)
ありがたいことに九州大学脳神経外科同門会からも表彰いただきました。
今回は研究していたもやもや病について詳しく見ていきたいと思います。
もやもや病とは
もやもや病とは、内頸動脈という太い血管が細くなる原因不明の病気です。太い血管が細くなっていくので、血流を補おうと細い血管が発達していきます。その血管がもやもやとした血管に見えるため、もやもや病と名付けられました。アジアで多く、日本では厚生労働省の指定難病となっています。
(難病情報センターより抜粋)
原因
もやもや病の原因は現在も解明されていません。しかし、遺伝子変異が関与しているのではと言われており、RNF213という遺伝子が感受性遺伝子として特定されています。
人口10万人あたり6-10人程度と少なく、10歳以下の小児と30〜40歳代の成人に発症しやすいです。
どのような症状が起きるの?
太い血管が細くなることで脳に送られる血液が不足すると脳の虚血が起こり、また、その分の血液を送ろうともやもや血管に負担がかかり、血管がやぶれると脳の出血を起こします。
虚血の症状は手足の麻痺、しびれ、ろれつがまわらない、言葉がうまく出てこないなどがあげられます。
一時的に血流が不足し、その後元に戻ると症状は改善する一過性脳虚血発作で済む場合があります。
しかし、進行してひどい血流不足が続くと、脳細胞が死んでしまう脳梗塞という状態になり、症状は遺ってしまいます。
出血の症状は突然の頭痛、意識障害、手足の麻痺、しびれなどがあげられます。重症の場合は命に関わることもあります。
小児は虚血が多く、成人は虚血も出血もきたします。
また、その他の症状として頭痛やけいれん、小児では知能低下などもあります。
遺伝するの?
また、もやもや病に関連した遺伝子RNF213が発見されていますが、これは病気の原因遺伝子ではなく、発症しやすくなる“感受性遺伝子”と考えられています。
治療法
脳血管が徐々に詰まっていくのを改善させる治療法はありません。
脳血流の不足が続いている場合は脳血流の不足を補う手術を行ないます。
具体的には頭皮にある血管を脳の表面の血管に直接つなげるバイパス術(直接血行再建)、頭部の筋肉や血管、脳や頭蓋骨を包んでいる膜などを脳表に接着させ、筋肉などから血流が入るのを期待するバイパス術(間接血行再建)があります。
手術により脳の血流不足がなくなると、脳梗塞を起こさないだけでなく、もやもや血管もその役目を終えてなくなっていくので、もやもや血管がやぶれて脳出血を起こすことも少なくなります。
脳梗塞が発症した場合には、血管がつまらないよう血液をサラサラにする抗血小板剤という薬を使用することがあります。しかし、もやもや病は脳出血も起こす病気ですので、慎重な治療が必要です。
日常生活で注意することはある?
小児の場合では、症状がしばしば出現する時は、激しい運動、楽器などの演奏は控えましょう。
症状がしばしば出現する際は、なるべく早期に手術治療を検討することをお勧めします。
治療後や、症状が安定している場合は、過度な生活動作制限の必要はありません。
もやもや病は厚生労働省の指定難病となっています。診断確定のためには血管造影検査が必要となります。
もやもや病についてご不明な点、相談等ございましたら当院までお気軽にお問い合わせください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
血圧を測定したことはありますか?会社の健診や温泉、ジム、商業施設など血圧を測定する機会があると思います。
上の血圧と下の血圧が出ますよね?みなさんは注意して見てみたことはありますか?
上の血圧が高いと高血圧なのはわかるけど、下の血圧が高かったり、低かったりした場合がどうなのかわからない…そんな悩みを持っている方も多いと思います。
今回は下の血圧について詳しく見ていきたいと思います。
上の血圧と下の血圧
収縮期血圧とは
上の血圧を正式には収縮期血圧といいます。収縮期血圧とは、心臓が血液を送り出した時に血管の壁が押される圧力のことです。心臓の近くにある太い血管に向けて血液が勢いよく押し出されるため、壁を押す力も強くなります。収縮期血圧が135mmHg以上の場合に高血圧といわれます。
拡張期血圧とは
下の血圧を正式には拡張期血圧と呼びます。拡張期血圧とは、心臓が太い血管に血液を送り込んでいない状態で血管の壁にかかる圧力のことを指します。上の血圧が135mmHg未満でも、拡張期血圧が85mmHg以上であれば高血圧となります。
下の血圧だけが高い場合
下の血圧が高くなる理由
下の血圧、いわゆる心臓が拡張している間も、血液は全身を巡り続けています。
その流れが滞ってしまっている状態、すなわち血流が悪くなっている場合に下の血圧が高くなります。
心臓から遠い場所にある手足の細い血管が硬くなると、それだけ血液が詰まりやすくなり、血流が悪くなります。その結果、心臓に近い太い血管が問題なくても、末梢血管が硬くなり血流が悪化することで下の血圧が高くなるのです。
血圧が高いのは高齢者というイメージを持ちがちですが、若年層の二次性高血圧症でも下の血圧だけが高いというのが目立つ場合もあります。
肥満や運動不足、アルコールの過剰摂取、喫煙者などは特に上下ともに血圧が上昇します。
しかも若年層でこのような特徴を持つ人は、気づかないうちに末梢血管の動脈硬化が進み、下の血圧だけ高くなってしまいます。
また、更年期を迎えた女性にも同じような症状が見られることがあります。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、血管をしなやかに保ち、拡張させる作用があります。
閉経するとともにこのエストロゲンが減少します。エストロゲンが減少することで血管の柔軟性が落ちてしまい、下の血圧が高くなってしまいます。
下の血圧が高い場合のリスク
下の血圧が高くても大丈夫と軽く考えてしまいがちですが、下の血圧だけ高い状態でも高血圧とみなされます。
一般的にいわれている高血圧と同様に動脈硬化のリスクがあるため、油断はできません。
血管は本来弾力性に富んでいますが、高血圧によって血管に負担がかかり続けることで、徐々に厚みを増して硬くなり、動脈硬化へとつながっていきます。
動脈硬化が起きても自覚症状はなく、気づかないうちに進行し、脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、腎硬化症、大動脈瘤などの全身に関わるさまざまな病気を引き起こしてしまいます。
下の血圧が低い場合
下の血圧が低くなる理由
下の血圧、いわゆる拡張期血圧が下がるのは、大きな血管が硬くなった場合です。
心臓が拡張する時には末梢の動脈が収縮してプールされていた血液を全身の臓器に送り出します。
動脈硬化が起こると、心臓の収縮期に末梢血管が十分に拡張せずにプールできる血液量が減少してしまい、血液が末梢臓器を素通りしてしまいます。
その結果、心臓拡張期にはプールされていた血液量が少ない上に、血管が硬くなり収縮性が低下しまうため、血管に加わる圧力が低下し、拡張期の血圧を低下させてしまいます。
理想的な血圧は120台/70台であり、拡張期血圧が60mmHgを下回る場合はある程度動脈硬化が進んでいる可能性があります。しかし、拡張期血圧が60mmHg以下でも、収縮期血圧も低い状態であれば、一旦様子をみてもよいです。
下の血圧が低い場合のリスク
下の血圧が低い場合、動脈硬化が原因であるため、下の血圧が高い場合と同様に脳疾患(脳梗塞、脳出血)、心臓疾患(心筋梗塞、狭心症)、腎臓疾患(腎不全、腎硬化症、尿毒症)、下肢の疾患(閉塞性下肢動脈硬化症、壊疽)、眼の疾患(眼底出血、浮腫)などの命に関わるような異常を起こすリスクがあります。
収縮期血圧が高いまま、拡張期血圧のみが下がる場合は、動脈硬化で血液が溜められない状態になっている可能性があるため、収縮期血圧と拡張期血圧の差が70mmHg以上ある人は要注意です。
動脈硬化の改善には、生活習慣の見直しがとても重要
〇食生活の見直し:食塩摂取は1日6g未満にしましょう。
また、海藻類、野菜類、きのこ類、こんにゃく、大豆製品、玄米、雑穀類などの食物繊維の多い食品を積極的に摂ることで血中コレステロール値を下げることも重要となります。
動脈硬化の原因となる活性酸素を抑えるために、かぼちゃ、いちご、さけ、キウイ、小松菜などのビタミンC、ビタミンEを多く含む食品を積極的に摂りましょう。
逆に飽和脂肪酸、コレステロールを多く含む脂肪分が多い肉類、内臓系、卵黄、乳製品、加工食品、マヨネーズなどの摂取を控えましょう。
〇適度な運動:有酸素運動を1日30分程度継続して行うことで善玉コレステロールの増加や中性脂肪の減少が期待できます。
また、運動によりエネルギー消費ができるため、肥満の解消も期待でき、運動により筋肉量が増えることで基礎代謝が上がります。
週に3〜4回を目標に継続していきましょう。
〇禁煙:喫煙は百害あって一利なしです。喫煙によって動脈硬化を発症するリスクが3倍になります。
自身がタバコを吸っていなくても、近親者が喫煙しており、副流煙を吸うと、同様のリスクを与えます。
血圧が高くても症状はなにも感じません。
しかし、動脈硬化は進行してしまうと治療で改善させることはできません。
健診で指摘されている方はぜひ当院へ一度ご相談ください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
頭をどこかにぶつけたときにたんこぶってできますよね。その時みなさんだったらどうしますか?
冷やす方が多いと思います。
では、たんこぶの適切な対応ってなんだろう?
今回は、たんこぶについて詳しく解説します。
そもそもたんこぶって何?
たんこぶという言葉は医学用語にはありません。
医学的には”皮下血腫”という言葉を使います。
打ったところの皮膚の下の細い血管(毛細血管)が破れて、皮膚の下で出血します。その血が皮膚の下で溜まった状態がたんこぶなんです。
頭を打つとたんこぶができやすいのは、頭皮は血行が良く、皮膚の下には頭蓋骨があるため、溜まった血液が内側へいくことができずに、外側に広がって皮膚がふくらんでしまうからです。
たんこぶの適切な処置とは?
たんこぶは血が皮膚の下に溜まった状態です。そのため、たんこぶができ始めた時は、皮膚の下で出血している状態なんです。
その状態で温めてしまうと、血行がよくなってしまって、たんこぶの腫れがもっとひどくなる可能性があります。
打った直後は、冷やすのが適切な処置となります。
冷やすことのメリット
先ほど冷やすのが適切な処置と説明しましたが、冷やすという行為はどういったメリットがあるのでしょうか?
最大のメリットは腫れを軽減するということです。
冷やして血管を収縮することで、内出血の程度を軽くします。その結果、たんこぶの腫れが軽減されます。
もう一つのメリットとしては、痛い感覚を麻痺させることです。
頭や体をぶつけると痛いものです。ましてや、子どもは泣き続けることもあるでしょう。
そんな時何もできずに側にいるより、何かできることがあれば…と思っちゃいますよね。
冷やすことで、痛みを感じる感覚が鈍くなります。痛みの感覚が麻痺すれば、たんこぶのことも忘れたりできます。
逆に、打ってから数時間以内にお酒を飲むと、血行がよくなって悪化することがあります。
たんこぶを作るほど頭をぶつけた時は、お酒は控えましょう。
いつまで冷やすのがいいの?
冷やす目的としては、皮膚の下の内出血を抑えることです。
そのため、せいぜい数分〜1,2時間程度がよいでしょう。
あまり長く冷やし続けたり、時間が経ってしまってから冷やすと、組織の血行が悪くなってしまい、治癒に必要な酸素や栄養が不十分になってしまいます。
そうなるとたんこぶが治るのも遅くなってしまいます。
温めることはしなくていい?
打撲してから数分〜1,2時間で内出血は止まります。その後1,2日で腫れがピークとなります。
そのピークを迎えた後は、温めることで血行を良くし、組織の活性と再生を促す方が治癒には最適となります。
組織に酸素や栄養を補給し、老廃物を捨てるためには血行がとても大切になります。
冷やすべきタイミング、温めるべきタイミング
冷やすタイミング、温めるタイミングを判断するには、風呂に入って、たんこぶがズキズキ痛むかどうかで決めましょう。
ズキズキ痛む時は、まだ急性期であるため、冷やす方がよいです。
たんこぶが痛まずに、気持ちよい程度であれば、温めるタイミングとなります。
打った直後は冷やす、その後は温める
たんこぶができるほど打ったときは脳神経外科のある病院へ相談しましょう。
当院では受診日にすぐにMRI等の検査を行うことが可能です。特に高齢者においては頭を打ったすぐ後には出血がみられなくても、1ヶ月程度して徐々に血が頭に溜まってくることがあります。
頭部打撲した際は是非気軽に当院までご連絡、相談ください。
こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
「ちゃんと寝ているのに頭が痛い」または「全然寝ることができなくて頭が痛い」などという経験はありませんか?
睡眠は日中に働いた脳や身体を休ませるために必要な時間です。
睡眠と頭痛について今回は見ていきたいと思います。
寝過ぎることで頭痛が起こる?
寝過ぎた後に起こる頭痛には、大きく分けて2種類あります。
片頭痛と緊張型頭痛です。
寝過ぎによる片頭痛のメカニズム
片頭痛とは睡眠中に副交感神経が活性化した結果、頭蓋内の血管が拡がって発生する頭痛です。
人は熟睡している時には心拍数や呼吸数が低下して、血流が穏やかになります。
その状態から、起きた際に血流量が増加することによって三叉神経が引っ張られて頭痛が生じるのです。
寝過ぎによる緊張型頭痛のメカニズム
緊張型頭痛は、首や肩に負担がかかる姿勢で寝ることで、背中の僧帽筋や後頸筋、側頭筋など頭痛の原因となる筋肉の血流が停滞して、強い収縮と緊張することで起こります。
通常は仰向けや横向きなどをして、枕に頭がありますが、枕から頭が外れていたり、手や足、腰、首などが無理な状態で曲がったりして長時間姿勢が悪いままで寝続けることで生じます。
寝不足で頭痛が起こる?
寝不足による片頭痛のメカニズム
片頭痛はストレスや疲労といったトリガーによって、脳の血管が拡張し、血管の周囲をとりまく三叉神経を圧迫してしまいます。
三叉神経が圧迫を受けると痛みの原因物質を放出して、血管に炎症を引き起こすことで、片頭痛が生じます。
寝不足による緊張型頭痛のメカニズム
緊張型頭痛は主に筋肉の疲労が原因で生じます。
寝不足になることで、頭や首から肩にかけての筋肉がストレスによる血流悪化で、老廃物が溜まり、それが原因で周囲の神経を刺激して頭痛が発生します。緊張型頭痛は頭の痛みだけではなく、肩こりや眼精疲労、全身倦怠感などを伴うこともあります。睡眠不足のときは主にこの緊張型頭痛が生じます。
睡眠を安定させるコツ
片頭痛が起きた時の対処法
・アルコールの摂取を控える
・光や騒音などの刺激を避ける
・精神的なストレスを減らす
・痛みがある部分を冷やす
・カフェインを摂取する
痛みがある部分を冷やすことで拡張していた血管が収縮し、頭痛が改善することがあります。
また、入浴は血流が促進されて頭痛が増悪するのでできれば避けましょう。
緊張型頭痛が起きた時の対処法
・ゆっくりストレッチする
・痛みがある部分を温める
・マッサージをする
原因としては筋肉の緊張によるものなので、上記のことをすることで頭痛が改善することがあります。
枕を高くしすぎると頭痛が生じやすくなってしまいます。
寝不足になりがちなときの対処法
寝不足になって頭痛が生じた際の一番の解決方法はなんといっても睡眠をとることです。
しかし頭痛が出ている状態でゆっくり眠れるとは限りません。
そのため、ストレスや緊張、疲労をとる努力をすることが大切となります。
ゆっくりとお風呂に入って体を温め、血流をよくすることで筋肉内の疲労物質や痛みの原因物質が流れやすくなります。お風呂の温度は38―40度程度で、肩までは浸からずにみぞおちあたりまで浸かって20分程度にとどめるのがおすすめです。
リラックスおよび体の血流を良くする目的で軽い運動をすることもいいでしょう。
また、寝過ぎた際の頭痛と同様に痛い部分を冷やす、カフェインを摂取するなども有効となります。
当院では、頭痛を専門的に診察する頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」の治療も受けられます。
頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」までお問い合わせください。