アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」「ドナネマブ」とは?

こんにちは、毎日もの忘れ外来をしている福岡糟屋郡新宮町「しろうず脳神経外科」です。

 

近年、アルツハイマー病の治療に画期的な進展がありました。

「レカネマブ(商品名:レケンビ)」「ドナネマブ(商品名:ケサンラ)」という新しい薬が、日本でも使用できるようになったのです。

これらの薬は、従来の認知症治療薬と違い、病気の原因に直接作用する“抗体薬”であり、アルツハイマー病の進行を遅らせる効果が期待されています。

当院は、これらの薬を使用した治療のフォローアップ施設として認定されており、地域で安心して継続治療を受けられる体制を整えています。

 

認知症の原因となる病気とアルツハイマー病

 

認知症は、加齢によって自然に起きるものではなく、原因となる病気があって起こる症状の総称です。

その中で最も多い原因がアルツハイマー病です。

アルツハイマー病の初期には次のような症状が見られます。

・少し前の出来事を思い出せない

・カレンダーを見ても日付がわからない

・同じ質問を繰り返す

 

軽度認知障害(MCI)とは?

 

認知機能に低下はあるものの、日常生活に大きな支障は出ていない状態を軽度認知障害(MCI)といいます。

MCIの段階で治療に取り組むことが、進行を抑える上で非常に重要です。

 

 

アルツハイマー病の脳で起きていること

 

アルツハイマー病の脳では、海馬(記憶を司る部位)から萎縮が始まるアミロイドβ(ベータ)というたんぱく質が固まり、老人斑ができるといった変化が起こります。

アミロイドβは、症状が出る15~20年前から少しずつ脳に蓄積していき、神経細胞を傷つけ、結果として認知機能が低下していきます。

 

 

抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ・ドナネマブ)とは?

 

従来の治療薬は症状を緩和させる薬であり、進行を止める効果はありませんでした。

抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ・ドナネマブ)は、原因物質であるアミロイドβに結合し、体から除去する働きがあります。

その結果、病気の進行を遅らせる効果が期待されています。

 

ケサンラは脳にたまったアミロイドβプラークを取り除くお薬です。

 

治療の流れと通院頻度

レカネマブ

・点滴に約60分

・2週間に1回の通院を18カ月継続

 

ドナネマブ

・点滴に約30分

・4週間に1回の通院

12カ月目の検査で除去確認→完了、除去不十分なら最長18カ月

ケサンラは、4週に1回少なくとも30分かけて点滴するお薬です。アミロイドPET検査により、アミロイドβプラークの除去が確認されたら投与完了となります。除去が確認されない場合は、原則最長1年半(18ヵ月)で 完了します。

 

副作用について

最も注意すべき副作用

・脳の微小出血(ARIA-H)

・脳のむくみ(ARIA-E)

その他副作用

・注入に伴う反応

・頭痛

 

お薬の費用について

投与1回分のお薬の費用(ケサンラの場合)(目安)

高額医療制度※を利用することで自己負担額の軽減ができます。

 

高額療養費制度は年齢や年収に応じた限度額を超えた場合に超過分の払い戻しを受けることができる制度です。

一時的な支払いとはいえ、治療金額は大きな負担になると思いますので、事前に限度額適用認定証を取得しておくと、窓口での支払いは自己負担額までの支払いで済みます。

さらに、マイナンバーを健康保険証として利用することで、限度額適用認定証の申請手続きや提示が不要となります。

 

誰にでも効果があるわけではありませんが、早期の適切なタイミングで使うことで、生活の質を保ちやすくなる可能性があります。もの忘れが気になる方、家族の症状が心配な方は、当院までお気軽にご相談ください。

 

2025年12月02日