頭痛
当クリニックでは毎日、頭痛外来を行っています。
その頭痛、我慢しないで是非ご相談ください
頭痛は誰しも経験したことがあると思います。痛みが強いものから弱いものまでさまざまあり、目に見える症状ではないため、他人からなかなか理解・共感されないこともあります。
頭痛は「危険な頭痛(二次性頭痛)」「危険ではない頭痛(一次性頭痛)」に分かれます。これを正確に区別するためにはMRI検査が必要になります。
「危険な頭痛(二次性頭痛)」は、くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍、動脈解離などの脳で異常が起こることで生じる、命の危険がある頭痛を言います。
「危険ではない頭痛(一次性頭痛)」は、命とは関わりない頭痛であり、多くの方が一次性頭痛になります。命の危険はないですが、頭痛によって生活に支障を及ぼすことがあります。
一次性頭痛は主に3タイプ(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)に分類されます。
頭痛

危険ではない頭痛(一次性頭痛)

一般的に「頭痛持ちの頭痛」と言われる、命の危険がない頭痛になります。検査をしても原因となる疾患が見つかりません。これには緊張型頭痛や片頭痛、群発頭痛も含まれます。

片頭痛

女性に多く、月〜年に数回不定期に起こる頭痛です。片頭痛の人口は10人に1人と言われています。最も頻度の高い30歳女性では約20%に達すると言われており、決して特別な病気ではありません。医療機関でしか処方できない薬もあるため、片頭痛でお悩みの方は、当クリニックまでご相談ください。

緊張型頭痛

頭痛の大半を占めるものであり(有病率22.4%)、主に肩こりやストレスが強くかかった場合などの筋肉の血流の悪化によって痛みます。頭が締め付けられるような重苦しい痛みのことが多く、数日続くことがあります。

特徴

  • 頭痛は30分〜7日間持続する
  • 頭の両側、全体、後頭部がじんわり痛む
  • 頭をベルトで締め付けられているような重苦しい痛み
  • 首や肩こりがある
  • 動いても痛みは悪化しない
  • 吐き気や嘔吐を伴うことはない

原因

緊張型頭痛が起こる原因は、大半が身体的、または精神的ストレスです。デスクワークなど長時間同じ姿勢をとるといった身体的ストレス、環境の変化による精神的ストレスなどが挙げられます。ストレスによって神経や筋肉が過度に緊張し、筋肉に疲労物質がたまったり、脳内の痛みの調整機能がうまく働かなくなって頭痛が生じます。

治療法

急性期治療
一般的な痛み止めとして知られているアセトアミノフェン(カロナール)やNSAIDsであるロキソニン、イブプロフェン、ボルタレンなどが使われます。しかし、これらの薬物を使いすぎると薬物乱用頭痛という、薬物が原因でかえって頭痛を引き起こしてしまうことにもなるため、使いすぎないよう注意が必要です。
予防治療
何回も頭痛を繰り返す方には、予防も大切です。予防薬として最も有効性が高いものがアミノトリプチン(トリプタノール)です。これは三環系抗うつ薬という、うつ症状を和らげる薬ですが、神経の痛みを和らげる効果もあります。抗うつ薬を飲むのに抵抗がある方は、漢方を定期的に内服することで予防に繋げることもあります。

群発頭痛

20〜40歳の男性に多くみられ、目をえぐられるような痛みと前頭部から側頭部にかけての痛みがあります。一度発作を起こすと痛みを抑えるのが困難な場合もあるため、発作を予防することが必要となります。

原因

原因は明らかにされていませんが、目のすぐ後ろにある太い血管(内頚動脈)が拡張して、その周囲に炎症が起きることで痛みが起こると考えられています。頭痛を誘発する要因としては、飲酒、不規則な睡眠、気圧の変化などがあると言われています。

特徴

  • 片側の目の奥をえぐられるような痛み
  • 数週間〜数ヶ月の間、2〜8日に1回の間隔で頭痛が続く
  • 痛みは約15分〜3時間持続する
  • 夜間や眠っている間に起こることが多い
  • 頭の前頭部から側頭部にかけて締め付けられるような痛み
  • 目の充血や涙、鼻水を伴うことがある
  • 喫煙率が高い

治療法

治療法は主に2種類あり、ひとつは痛みが出てから症状を抑えるものであり、もうひとつは痛みが強くなるのを予防する方法です。
群発期
高濃度の酸素吸入が昔から有効とされており、酸素を吸入することで80%の方で改善が見られたという報告があります。
一番手軽な治療法としてはリドカインという表面麻酔薬をスプレーで鼻粘膜に散布する方法です。これは30%くらいの方で改善がみられます。
同様の方法として片頭痛で保険適応になっているスマトリプタンの点鼻を発作時に痛い方と反対側の鼻孔にスプレーする方法があります。
同様のスマトリプタンの自己注射があります。この有効率は高く、注射後5分くらいから効果がでますので群発頭痛の激痛から逃れる最も有効な方法となります。
また、頭痛発作が激烈な初期の2週間くらいに限り、神経や脳血管の腫れをとる作用を持つ副腎皮質ホルモンを併用することもあります。
群発頭痛の予防
神経細胞膜の安定化作用のあるベラパミルや、大脳皮質の過敏性を抑える効果のあるバルプロ酸などを症状に合わせて適宜処方します。
できる限り群発頭痛のリスクを下げるためには、アルコールの摂取を控えることが有効です。また、熱いお風呂やサウナ、辛い食事、激しい運動なども控えましょう。また、自律神経のバランスを崩さないように毎日できるだけ決まった時間に起床、就寝するなど、規則正しい生活を心がけることが基本となります。
発作が起こりそうになったら、窓を開けて深呼吸を繰り返しましょう。また、痛むところを冷やすことで多少痛みが和らぎます。

危険な頭痛(二次性頭痛)

脳や身体に異常が起きることで生じる、生命の危険のある頭痛になります。くも膜下出血や脳内出血、脳腫瘍、動脈解離などが含まれます。

このような場合は急いで受診してください

突然の頭痛
一次性頭痛は「何となく頭が痛いかな」から頭痛が始まります。しかし、「何時何分から痛くなった」、「この作業をしているときに痛くなった」や有名なのは「ハンマーで殴られたような頭痛が突然した」など、発症時期が明確な頭痛は危険です。これは脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を起こしている可能性や、動脈解離を起こしている可能性が考えられるからです。
こういった発症時間が明確な突然の頭痛を感じたときは、様子をみて病院受診しようとせずにすぐに救急車を呼んだり、当クリニックへお越しください。早急な対応が必要となります。
嘔吐
手足のしびれ
言語障害(呂律がまわらない、言葉が出てこない)などを伴う頭痛
脳腫瘍や脳内出血などが生じると頭痛と共に、腫瘍や出血で障害されている部位の症状が出てきます。それがどちらかの手足がしびれたり、動かないや言葉がうまくしゃべられないなどの症状です。
また、腫瘍の大きさや出血の程度がひどくなり、脳圧が高くなることによっても頭痛が生じます。その際は嘔吐を伴うことが多いです。このような際もすぐに医療機関の受診が必要です。
では、すぐというのはどれくらいでしょうか。時々「頭が急に痛くなったけど夜遅かったから、夜は我慢して病院開くまで待ってから来ました。」という方がいらっしゃいます。二次性頭痛というのは刻一刻(秒単位)と悪くなっていくものであり、ひとときの猶予も許されない状況が多々あります。上記のような頭痛を感じた際は、すぐに遠慮せずに救急車を呼んでください。検査をして何もなければ安心にもつながると思います。

考えられる疾患

くも膜下出血、脳出血、慢性硬膜下血腫、動脈解離、脳腫瘍、髄膜炎、脳脊髄液減少症

脳以外の病気

考えられる疾患

高血圧、副鼻腔炎、薬剤の使用過多による頭痛、頭/顔の神経痛、巨細胞性動脈炎

高血圧

一般的な高血圧であれば頭痛は起こることはないですが、急激に異常高血圧(収縮期血圧180mmHg以上)になることによって、脳内の血圧を調整する機能が破綻します。その結果脳への障害が引き起こされ、脳浮腫をきたし、頭痛や吐き気などの症状が出ます。このように高血圧緊急症の場合は、すぐに降圧が必要となります。

副鼻腔炎

鼻づまりと頭痛が持続している方は、副鼻腔炎の可能性があります。頭痛は膿が溜まっている副鼻腔の部位に一致して疼痛が現れます。上顎洞の場合はほっぺたに、前頭洞の場合はおでこに、篩骨洞の場合は目と目の間やこめかみに疼痛をきたします。治療は症状に応じて鎮痛薬の内服、抗生剤、抗アレルギー剤、鼻洗浄やネブライザーなどを行います。

薬物乱用頭痛

薬物乱用頭痛とは、もともと頭痛持ちであった人が鎮痛薬を使いすぎてしまい、さらにその鎮痛薬を使い続けることによって逆に頭痛がおきてしまう状態です。
1ヶ月に15日以上存在し、3ヶ月を超えて頭痛薬を定期的に(月に10日以上)服用している方が該当します。

発生機序

頭痛薬を常用していると、脳が痛みに対して感受性が変化して過敏になります。そのため、ちょっとした刺激でも強い痛みを感じるようになってしまいます。また、痛みの性質や痛みが出現する場所が変化するなど頭痛が複雑化していき、頭痛が起こる回数が増えて痛みも強くなり、薬が効きにくくなってきます。本人はその原因が頭痛薬によるものとは分からないため、つらい頭痛が始まる不安を払拭するために頭痛薬を飲んでしまいます。さらに、過去に頭痛が出た時に飲んだ頭痛薬が有効であったという成功体験も加わって、次第に頭痛薬を飲む頻度や量が増えていくのです。

治療法

薬物乱用頭痛の治療は、原因となっている頭痛薬を中止することです。しかし、中止するとつらい頭痛が来るのではないかという恐怖があります。そのため、薬剤中止後に起こる頭痛への対処法をしっかりと説明することが大切であり、別の種類の頭痛薬をレスキュー薬として用意しておきます。また、頭痛ダイアリーをつけてもらい、頭痛のあった日、何を内服したかをわかるように記録しておくことも重要です。頭痛薬を中止するとともに、予防薬を投与していきます。予防薬としては、塩酸ロメリジン、三環系抗うつ薬、抗てんかん薬、抗不安薬などが使われます。
薬物乱用頭痛はいったん治ってからも、約3割は再発すると言われています。定期的に受診して頭痛の治療をしっかりと続けていき、頭痛をコントロールできるようにしましょう。

子どもの頭痛

大人だけでなく、子どもでも頭痛はみられます。子どもは大人と違い、言葉での表現がうまくできず、頭痛のつらさをうまく伝えることができないことも多々あります。急にゴロゴロしだして遊びたがらなかったり、顔面蒼白だったり、急に嘔吐をしたりとさまざまなエピソードがみられます。大丈夫かなと思っていると急にケロッとしていたり、いつの間にか遊びだしていたりするため、重要視されず、仮病と誤解されることも少なくありません。
気を付けなければいけないのが、何らかの疾患が原因で起こる二次性頭痛です。もやもや病や脳腫瘍、脳炎、髄膜炎、くも膜下出血などの病気が検査により見つかる可能性があります。

片頭痛

子どもの頭痛で最も多いのは、片頭痛です。(小中学校:4.8~17.2%、成人:8.4%)
男女別の有病率で見ますと年齢によって傾向があり、3~7歳では男児に起こりやすく、7~11歳では男女同数、12歳以降では女子に起こりやすくなっており、女性ホルモンが影響を及ぼしていると考えられています。

特徴

  • 頭痛の持続時間は2~72時間と、成人(4~72時間)と比較すると短い傾向がある
  • 必ずしも片側ではなく、両側前頭部を痛がることも多い
  • 頭痛以外の症状(顔面蒼白、嘔吐、腹部症状など)が目立つこともある
  • 家族が片頭痛である(特に母親)
痛みの特徴としては、ズキンズキンとする脈打つような痛みで、嘔吐や吐き気がみられ、光や音、臭いに敏感になることがあります。大人と比べると短時間であり、保健室で休んだり、学校を休んだりすると、ケロッと良くなったりするため、周りから仮病やサボりだと誤解されることもあります。
片頭痛は、ストレスや激しい運動、炎天下、強い光、騒音、人混み、異臭、朝寝坊、寝不足、朝食抜きなど、さまざまなきっかけで起こります。その中でも最も多いのは睡眠不足です。小学校高学年や受験勉強などで就寝時間が遅くなり、生活習慣が乱れることで片頭痛が起こるケースがみられます。
治療として子どもに勧められるのは、薬での治療よりもまずは生活習慣を改善することです。早寝、早起き、朝食の摂取が非常に重要です。睡眠時間以外にも食物や光、臭いなどの頭痛の誘因を除くことも大切です。
このような生活習慣を改善しても頭痛が軽快しない場合には、鎮痛薬(イブプロフェン、アセトアミノフェン)による治療を考えましょう。

慢性連日性頭痛

慢性連日性頭痛とは3ヶ月以上にわたり、月に15回以上ある頭痛の通称です。たまに起こっていた頭痛がある時期から頻繁に起こるようになったり、今まで頭痛の経験がなかったのにある時期から毎日のように起こるようになったりします。片頭痛と緊張型頭痛の両方の頭痛が混在していることが多いですが、緊張型頭痛が主体であることが多いです。

特徴

  • 2~3日に1回以上の頻度で頭痛が起こる
  • ある時期から急に頭痛が始まる
  • 休日は起こらず、平日の朝に頭痛がみられることが多い
  • 心理的要因が大きい(親や先生、友達との関係、いじめや成績など)
慢性連日性頭痛は鎮痛薬が効きにくく、長期欠席につながっていきます。欠席が長引くと学業の遅れの心配が出てくるため、保護者の方はとても悩まれることと思います。ただし、この頭痛の治療は心理的要因のケアが必要です。そのため、子どもに寄り添って頭痛と付き合いながらできることを行い、自己評価が下がらないようにすることが大事です。当院では、頭痛ダイアリーを渡して、頭痛があった日を記録していただくようにしています。頭痛ダイアリーは保護者が書くのではなく、本人が書くようにしましょう。また、学校に行かない日でも規則正しい生活をさせるようにしましょう。
慢性連日性頭痛は起立性調節障害や過敏性腸症候群、精神疾患と共存しやすいことが言われています。おかしいなと思ったらまずはお気軽にご相談ください。

Q&A

頭痛のQ&A

鎮痛薬を頻繁に飲んでいますが、頭痛が改善しません。このまま飲んでも大丈夫でしょうか?
頭痛の回数が多いときは、鎮痛薬を使用する回数が増えてしまう場合があります。単一成分の鎮痛薬を月に15日以上、または市販薬などの複合鎮痛薬を月に10日以上、3ヶ月を超えて使い続けていますと、鎮痛薬を飲みすぎて頭痛が悪化することがあります(薬物乱用頭痛)。薬物乱用頭痛に関しては、予防治療薬を使用していきます。風邪薬や抗てんかん薬、抗うつ薬、カルシウム拮抗薬などの薬剤を使用し、最低1ヶ月は続けて内服していただき、効果判定します。頭痛の回数、程度が減ればそれだけ鎮痛薬を使用する回数が減るため、頭痛の頻度が多い方は予防治療薬の使用をお勧めします。
頭痛になりやすい食べ物はありますか?
頭痛を誘発する食事としては、ベーコン、ソーセージ、チョコレート、チーズ、カフェインなどが言われています。しかし、個人差が大きく、必ずしも食べると頭痛を起こすというわけではありません。

子どもの頭痛Q&A

子どもの頭痛に検査は必要でしょうか?
頭痛で一番多いのは片頭痛に代表される一次性頭痛です。しかし、中にはもやもや病や脳腫瘍、脳炎、髄膜炎、くも膜下出血などの二次性頭痛が隠れている場合もあります。二次性頭痛を否定するためにも、CTやMRI検査を一度行っておくことをお勧めします。
子どもの頭痛に鎮痛薬を使っても大丈夫でしょうか?
頭痛が来ると学校を欠席したり早退したりすることもあるかと思います。起こった頭痛をいかに軽くしてあげるかが子どもの生活の質を高める重要なポイントです。子どもの頭痛の大半は片頭痛です。子どもの片頭痛は持続時間が短く、1時間くらいで治ってしまう方もいます。1時間以上頭痛が続くようであれば鎮痛薬を使用することをお勧めします。アセトアミノフェンやイブプロフェンが有効かつ安全性があります。嘔気・嘔吐を伴っている際は、制吐薬を併用すると効果が高まると言われています。

頭痛のあれこれ

カフェインと頭痛の関係

カフェインは頭痛にいいの?悪いの?

みなさんは緑茶やコーヒーはお好きですか?
緑茶やコーヒーに含まれるカフェインは、神経や筋肉を刺激する作用があるので、肉体の疲労を回復させる効果があると言われています。
カフェインが頭痛にいいか悪いかは、実は頭痛のタイプによって変わってきます。
一次性の頭痛は大きく分けて「片頭痛」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」の3つのタイプがあります。

どのタイプにカフェインが効くのか?

頭痛にカフェインが効く人は、脳の血管が拡張して痛みが起こる「片頭痛」の人です。
コーヒーや緑茶に含まれているカフェインは、脳の血管を収縮させる働きがあります。つまり、片頭痛が起きているときにコーヒーを飲むと、拡張していた血管が元に戻り、痛みが和らぎます。
しかし、これは頭痛の程度が軽い場合であるのと、カフェインが血管を収縮させるのは少しの間だけなので、一時的な効果はあっても、コーヒーや緑茶自体に片頭痛を予防する効果はありません。

カフェインで頭痛が起きることも

「緊張型頭痛」もしくは「片頭痛と緊張型頭痛の両方が合わさった混合型」の人にはカフェインはおすすめできません。それは、筋肉が緊張している状態で、さらに血管を収縮させてしまうと血流が悪くなり、さらなる悪化を招いてしまう可能性があるからです。
カフェインは基本的には体に良いとされていますが、摂取しすぎは禁物です。
カフェインには中毒性もあり、大量のカフェインを毎日摂取していると、カフェインが切れたときに片頭痛が起きてしまうことがあります。コーヒーなどは1日3杯までにしておきましょう。
カフェインの離脱症状
平日にコーヒーや紅茶など、カフェインを含む飲み物をたくさん飲んでいる人もたくさんいるかと思います。このようにカフェインを常用していると、カフェインが体にあることが普通になってしまい、カフェインが切れたときに脳血管が拡張します。
その脳血管の拡張によって頭痛が起きてしまいます。
休日にもカフェインを摂取することで、血管が収縮し、片頭痛を抑えてくれることがあります。

エナジードリンクの危険性

エナジードリンクで覚醒するメカニズム
カフェインは、脳内で眠気を作り出すアデノシンという物質をブロックします。
これにより中枢神経を覚醒させることにより、集中力の向上、眠気、倦怠感の抑制を引き起こすのです。
しかし、これは疲労が回復していくわけではなく、一時的に自分のパフォーマンスを上げている状態で、過剰に摂取してしまうとカフェイン中毒になってしまいます。
エナジードリンクには、1本あたり約80-140mgのカフェインが含まれています。コーヒー1杯あたり80-90mgのカフェインが含まれていることと比較すると、そのコーヒーよりも多く含まれていることがわかります。
カナダ保健省では健常な成人は最大400mg/日(コーヒーをマグカップ(237ml入り)で約3杯)までとすると推奨されています。
そのため、3本以上飲むとカフェイン中毒になる可能性が高くなります。

カフェイン中毒

カフェイン中毒とは、一度にカフェインを過剰に摂取すると急性中毒が起こり、摂取することをやめられなくなってしまうことです。
初期の中毒症状は、精神症状では緊張、知覚過敏、多弁、不安、焦燥感、身体症状では胃痛、胸痛、吐き気、心拍数増加、呼吸促迫などが挙げられます。重度となってくると、精神症状では精神錯乱、妄想、幻覚、パニック発作、衝動性、身体症状ではけいれん、頭痛、過呼吸などが挙げられます。
1グラム程度の摂取で中毒症状が人によって出始め、2グラムの摂取で多くの人に中毒症状が出てきて、5グラムの摂取で重篤な副作用が発生し、7グラムの摂取で致死量に至るとされています。2011年度から5年間に101人が救急搬送され、7人が心肺停止となり、3人が死亡となるほど危険です。
エナジードリンクは安易に入手できるため、ついつい飲んでしまいたくなりますが、飲み過ぎには注意していきましょう。

わたしの頭痛は何タイプ?

自分の頭痛が片頭痛なのか、それとも緊張型頭痛なのか、混合型なのかよくわからない方も多いと思います。
頭痛のタイプによって治療法が異なってきます。温めるとよくなるもの・悪化するものなど症状が起きた際の対処法も変わってきます。正しく診断して治療を行うことで、大半の頭痛は良くなり、頭痛とうまく付き合っていくことができます。
当院では毎日頭痛外来を行っています。丁寧にお話をうかがって、MRI等の検査を行った上で診断し、相談しながら快適な生活を送れるよう最適な治療法を決めていきます。
頭痛でお悩みの方は是非お気軽に当院までご連絡、ご相談ください。

睡眠と頭痛の関係

「ちゃんと寝ているのに頭が痛い」または「全然寝ることができなくて頭が痛い」などという経験はありませんか?
睡眠は日中に働いた脳や身体を休ませるために必要な時間です。しかし、寝過ぎや寝不足で頭痛が起きる場合があります。また、頭痛があるときに、眠気も一緒に感じることもあります。
眠気と関係のある頭痛には、大きく分けて片頭痛と緊張型頭痛の2種類あります。

寝過ぎによる頭痛のメカニズム

片頭痛
片頭痛とは睡眠中に副交感神経が活性化した結果、頭蓋内の血管が拡がって発生する頭痛です。
人は熟睡している時には心拍数や呼吸数が低下して、血流が穏やかになります。その状態から、起きた際に血流量が増加することによって三叉神経が引っ張られて頭痛が生じるのです。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、首や肩に負担がかかる姿勢で寝ることで、背中の僧帽筋や後頸筋、側頭筋など頭痛の原因となる筋肉の血流が停滞して、強い収縮と緊張することで起こります。
通常は仰向けや横向きなどをして、枕に頭がありますが、枕から頭が外れていたり、手や足、腰、首などが無理な状態で曲がったりして長時間姿勢が悪いままで寝続けることで生じます。

寝不足による頭痛のメカニズム

片頭痛
片頭痛は寝不足などのストレスや疲労といったトリガーによって、脳の血管が拡張し、血管の周囲をとりまく三叉神経を圧迫してしまいます。
三叉神経が圧迫を受けると痛みの原因物質を放出して、血管に炎症を引き起こすことで、片頭痛が生じます。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は主に筋肉の疲労が原因で生じます。
寝不足になることで、頭や首から肩にかけての筋肉がストレスにより血流が悪化し、老廃物が溜まり、それが原因で周囲の神経を刺激して頭痛が発生します。緊張型頭痛は頭の痛みだけではなく、肩こりや眼精疲労、全身倦怠感などを伴うこともあります。睡眠不足のときは主にこの緊張型頭痛が生じます。

片頭痛と睡眠に関連する病気

片頭痛が起こると、以下の睡眠に関連する病気や症状が伴っているおそれがあります。
気になる症状のある方は、かかりつけ医へ相談するか、医療機関を受診しましょう。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時の気道が狭くなることによって、無呼吸もしくは低呼吸、いびきがみられ、日中の眠気や疲労感などを生じる病気です。
早朝に頭痛の症状を有する片頭痛患者さんを対象にした研究によると、片頭痛患者さん8例のうち7例が閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断を満たしていたという報告があります。
睡眠時遊行症
睡眠時遊行症とは、睡眠中に自覚症状がない状態で無意識に歩き回る現象です。
子どもに多くみられますが大人になっても続く場合があります。ノンレム睡眠から不完全に覚醒した際に起こるとされており、睡眠中の行動によって危険が生じる場合は寝室の環境を整えるなどの対策が必要です。
片頭痛の中でも前兆のある片頭痛の場合に、睡眠時遊行症の既往歴が高かったとされています。
生活リズムの乱れや睡眠時間の不足が起こらないように生活リズムを整え、睡眠時間を十分に確保することが大切です。
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
レストレスレッグス症候群とは、夕方から真夜中にかけて、足を中心に痛みやかゆみなどが生じる病気です。足を動かすと一時的に違和感が消えるものの、静止しているとむず痒さが再び生じる場合があります。
レストレスレッグス症候群になると、眠気がきても眠りにつくことができません。
眠れても浅い眠りとなるため、寝不足を引き起こして日中における眠気の原因となる可能性があります。
ナルコレプシー
ナルコレプシーとは、日中に耐えられないほどの眠気を感じたり、歩行中や食事中など、眠る状況ではない場面で眠気が繰り返し起こったりする睡眠障害です。眠気以外には、幻覚や脱力感、睡眠麻痺(身体を動かせず声を出せない状態が数秒~数分続く)などが起こります。
ナルコレプシーと一次性頭痛の有病率を調べた研究によると、ナルコレプシーの患者さんにおいて片頭痛が確認されています。
ナルコレプシーの対策としては、夜に十分な睡眠をとるよう心がけ、睡眠の質を低下させるアルコール・カフェイン・ニコチンなどの摂取を控えましょう。日中の眠気で学業や仕事に支障がある場合は睡眠障害を専門的に診療する医療機関を受診することも大切です。
特発性過眠症
特発性過眠症は、日中の耐え難い眠気と居眠りがみられる状態です。夜間の長時間の睡眠をともなうケースとそうでない場合があり、目覚めのすっきり感がないのが特徴です。ナルコレプシーのように幻覚や睡眠麻痺などがみられる頻度は少なく、朝起きられない、失神などを伴うことも少なくありません。
特発性過眠症と一次性頭痛の有病率を調べた研究によると、特発性過眠症の患者さんにおいて片頭痛の有病率が高いことが報告されています。特発性過眠症は自然に改善する場合もありますが、日常生活への影響がある場合は適切な治療を受けることが必要です。

片頭痛が睡眠障害と併発するのはなぜ?

片頭痛は、さまざまな睡眠障害と併発する場合があります。睡眠障害と片頭痛の間には、視床下部の関与が示唆されています。
また、片頭痛の発症には視床下部の活性化が三叉神経を刺激し、片頭痛を引き起こすと考えられています。
この三叉神経の過剰な活性化を抑え、片頭痛の発症を予防する治療薬が「ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」です。「ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」は、眠気がくるといった副作用はほとんどありません。薬の影響で日中睡魔におそわれる可能性は低い薬です。
睡眠障害と片頭痛の改善を図るためには、睡眠の質を高めるための入眠環境の調整や、睡眠障害や片頭痛を治療する必要があります。

睡眠を安定させるコツ

片頭痛が起きた時の対処法
  • アルコールの摂取を控える
  • 光や騒音などの刺激を避ける
  • 精神的なストレスを減らす
  • 痛みがある部分を冷やす
  • カフェインを摂取する
痛みがある部分を冷やすことで拡張していた血管が収縮し、頭痛が改善することがあります。
また、入浴は血流が促進されて頭痛が増悪するのでできれば避けましょう。
緊張型頭痛が起きた時の対処法
  • ゆっくりストレッチする
  • 痛みがある部分を温める
  • マッサージをする
原因としては筋肉の緊張によるものなので、上記のことをすることで頭痛が改善することがあります。
枕を高くしすぎると頭痛が生じやすくなってしまいます。

寝不足になりがちなときの対処法

寝不足になって頭痛が生じた際の一番の解決方法はなんといっても睡眠をとることです。しかし頭痛が出ている状態でゆっくり眠れるとは限りません。そのため、ストレスや緊張、疲労をとる努力をすることが大切となります。
ゆっくりとお風呂に入って体を温め、血流をよくすることで筋肉内の疲労物質や痛みの原因物質が流れやすくなります。お風呂の温度は38〜40度程度で、肩までは浸からずにみぞおちあたりまで浸かって20分程度にとどめるのがおすすめです。
リラックスおよび体の血流を良くする目的で軽い運動をすることもいいでしょう。
また、寝過ぎた際の頭痛と同様に痛い部分を冷やす、カフェインを摂取するなども有効となります。
早期発見、予防のためにも定期的に脳の健康診断をおすすめしています。