寝過ぎや寝不足による頭痛の対処法

こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町「しろうず脳神経外科」です。

 

「ちゃんと寝ているのに頭が痛い」または「全然寝ることができなくて頭が痛い」などという経験はありませんか?

睡眠は日中に働いた脳や身体を休ませるために必要な時間です。

睡眠と頭痛について今回は見ていきたいと思います。

 

寝過ぎることで頭痛が起こる?

寝過ぎた後に起こる頭痛には、大きく分けて2種類あります。

片頭痛緊張型頭痛です。

 

寝過ぎによる片頭痛のメカニズム

片頭痛とは睡眠中に副交感神経が活性化した結果、頭蓋内の血管が拡がって発生する頭痛です。

人は熟睡している時には心拍数や呼吸数が低下して、血流が穏やかになります。

その状態から、起きた際に血流量が増加することによって三叉神経が引っ張られて頭痛が生じるのです。

 

寝過ぎによる緊張型頭痛のメカニズム

緊張型頭痛は、首や肩に負担がかかる姿勢で寝ることで、背中の僧帽筋や後頸筋、側頭筋など頭痛の原因となる筋肉の血流が停滞して、強い収縮と緊張することで起こります。

通常は仰向けや横向きなどをして、枕に頭がありますが、枕から頭が外れていたり、手や足、腰、首などが無理な状態で曲がったりして長時間姿勢が悪いままで寝続けることで生じます。

 

寝不足で頭痛が起こる?

寝不足による片頭痛のメカニズム

片頭痛はストレスや疲労といったトリガーによって、脳の血管が拡張し、血管の周囲をとりまく三叉神経を圧迫してしまいます。

三叉神経が圧迫を受けると痛みの原因物質を放出して、血管に炎症を引き起こすことで、片頭痛が生じます。

 

寝不足による緊張型頭痛のメカニズム

緊張型頭痛は主に筋肉の疲労が原因で生じます。

寝不足になることで、頭や首から肩にかけての筋肉がストレスによる血流悪化で、老廃物が溜まり、それが原因で周囲の神経を刺激して頭痛が発生します。緊張型頭痛は頭の痛みだけではなく、肩こりや眼精疲労、全身倦怠感などを伴うこともあります。睡眠不足のときは主にこの緊張型頭痛が生じます。

 

睡眠を安定させるコツ

片頭痛が起きた時の対処法

・アルコールの摂取を控える

・光や騒音などの刺激を避ける

・精神的なストレスを減らす

・痛みがある部分を冷やす

・カフェインを摂取する

痛みがある部分を冷やすことで拡張していた血管が収縮し、頭痛が改善することがあります。

また、入浴は血流が促進されて頭痛が増悪するのでできれば避けましょう。

 

緊張型頭痛が起きた時の対処法

・ゆっくりストレッチする

・痛みがある部分を温める

・マッサージをする

原因としては筋肉の緊張によるものなので、上記のことをすることで頭痛が改善することがあります。

枕を高くしすぎると頭痛が生じやすくなってしまいます。

 

寝不足になりがちなときの対処法

寝不足になって頭痛が生じた際の一番の解決方法はなんといっても睡眠をとることです。

しかし頭痛が出ている状態でゆっくり眠れるとは限りません。

そのため、ストレスや緊張、疲労をとる努力をすることが大切となります。

ゆっくりとお風呂に入って体を温め、血流をよくすることで筋肉内の疲労物質や痛みの原因物質が流れやすくなります。お風呂の温度は38―40度程度で、肩までは浸からずにみぞおちあたりまで浸かって20分程度にとどめるのがおすすめです。

リラックスおよび体の血流を良くする目的で軽い運動をすることもいいでしょう。

また、寝過ぎた際の頭痛と同様に痛い部分を冷やすカフェインを摂取するなども有効となります。

 

当院では、頭痛を専門的に診察する頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」の治療も受けられます。

 

頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」までお問い合わせください。

 

2024年10月30日