頭痛薬は何が強いの?鎮痛薬の強さランキング

こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

 

痛み止めとしての鎮痛薬はさまざまな種類があります。

頭痛外来をしていて「〇〇の方が強いと言われているから」「〇〇を飲むと胃を荒らすから」という言葉をよく聞きます。それでは痛み止めの強さはどう違うのでしょうか?

今回は、鎮痛薬の強さランキング、頭痛に効くのか、副作用について詳しく見ていきます。

薬のイラスト「錠剤」

 

第1位:トラマドール(トラマドール、トラムセットなど)

効果:オピオイド受容体への結合、モノアミン再取り込み阻害作用により強い痛みを抑える働きがあります。

通常、非オピオイド鎮痛剤で治療困難ながん疼痛、慢性疼痛の治療に用いられます。

副作用:頭痛 、 傾眠 、 浮動性めまい 、 悪心 、 嘔吐 、 便秘 、 食欲減退 、 口渇 、 倦怠感 、 浮腫

 

トラマドールは、鎮痛作用がとても強いですが、主な副作用として頭痛があります。

そのため、頭痛がある方は、この薬は極力避けるようにしましょう。また、頭痛を抑える目的で使うことは控えましょう。

 

第2位:ジクロフェナク(ボルタレン錠、ボルタレンSR、ボルタレンサポ)

効果:切り傷、火傷、打撲、骨折、抜歯後の痛み、一部の頭痛、生理痛、関節リウマチなどの炎症性の痛みなどの「侵害受容性疼痛」と呼ばれる痛みに対して主に効果を発揮します。

副作用:浮腫 、 食欲不振 、 胃痛 、 腹痛 、 下痢 、 口内炎 、 口渇 、 便秘 、 出血傾向 、 皮膚そう痒症 、 発疹

 

ボルタレンは頭痛に効かないということではありません。
しかし、ボルタレンの添付文書には「頭痛」に対して効果を示す旨は記載されていないです。

ボルタレンはロキソニンより効くまでの時間が遅いですが、鎮痛効果が強いとも言われています。

実際のところは個人の相性の問題となりますので、それを踏まえて選ぶ必要があります。

 

第3位:ロキソプロフェン(ロキソニン)

効果:炎症が起きている時に作られるプロスタグランジンなどの活性物質を抑制することによって、解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用が発揮されます。

副作用:浮腫 、 発疹 、 そう痒感 、 胃部不快感 、 食欲不振 、 下痢 、 便秘 、 胸やけ 、 口内炎 、 口渇

・胃潰瘍

プロスタグランジンは胃粘膜を保護する作用があります。そのため、非ステロイド抗炎症薬によりプロスタグランジンの合成が抑制されることによって、引き起こされる危険性が上がります。長期間にわたり内服する場合には胃薬を併用することが望ましいです。

・腎機能障害

同じようにプロスタグランジンなどの抑制により腎血流が低下することや薬剤自体の副作用の可能性が考えられています。もともと腎機能が低下している方や多数の薬剤を内服していることが危険因子であり、用法用量を守って内服することが必要です。

・喘息

詳しいメカニズムは解明されてはいませんが、薬剤に対する過敏な反応と考えられています。アスピリン喘息とも言われます。

 

ロキソニンは、片頭痛や緊張型頭痛の痛みに服用できる他、整形外科領域の疾患に伴う痛み、手術や外傷、抜歯後の痛み、急性上気道炎の発熱や痛みなどにも適応があり、広く使用できます。
片頭痛専用の痛み止め(トリプタン)と併用することもでき、頭痛の軽度や発作の早期(発症から1時間以内)に服用すると効果的です。

 

第4位:セレコキシブ(セレコックス)

効果:炎症部位のシクロオキシゲナーゼ-2を選択的に阻害してプロスタグランジンの合成を抑えることで、消炎・鎮痛作用を示す薬です。関節リウマチや変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎などの治療に用いられます。また、手術後、外傷後、抜歯後の消炎・鎮痛にも使用されます。

副作用:β2-マイクログロブリン増加 、 消化性潰瘍 、 倦怠感 、 口渇 、 末梢性浮腫 、 傾眠 、 頭痛 、 浮動性めまい 、 味覚異常 、 ALT増加

 

セレコックスの副作用のひとつに頭痛があります。そのため、片頭痛や緊張型頭痛などの鎮痛目的には使用しません。セレコックスはロキソニンと比較し、胃や腸に対する負担が軽くなるように設計されています。

そのため、鎮痛効果に関してはロキソニンより劣ります

 

第5位:アセトアミノフェン(カロナール)

効果:脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛の症状緩和に利用できます。

子どもや妊婦・授乳中の方でも使用でき、胃腸の影響が少なく、眠気を起こさないことが特徴です。

内服では1〜2時間後で血中濃度が最高に達し、8時間で血中から消失します。

副作用:

・肝機能障害

アセトアミノフェンは肝臓で代謝される薬であり、長期間、多くの量を使用すると肝機能障害を起こすことがあります。アルコール肝炎など肝機能がもとより悪い方は注意が必要です。

・他の薬剤の作用増強や減弱

薬の代謝の関係でリチウム製剤や一部の高血圧の薬、ワルファリンなどの作用が増強したり、減弱したりすることがあります。

 

    • カロナールはさまざまな痛みの症状に対して使用することができ、頭痛にも効果的です。
    • 胃にやさしい解熱鎮痛成分で、胃壁を胃酸から守るプロスタグランジンの作用にほとんど影響を与えません。
    • また、眠くなる成分を含んでいないため、仕事中や外出中など、痛みが気になった時に服用できます。
  • 他の解熱鎮痛薬と比較すると、効果が穏やかで副作用が比較的少ないです。

 

 

頭痛に効果的であるのは、ロキソニンカロナールがメインとなってきます。NSAIDsとしてナイキサンや、ピリン系を含む4つの有効成分からなる解熱鎮痛薬としてSG配合顆粒など当院ではさまざまな鎮痛薬を取り扱っております。

頭痛でお困りの際は、当院へお気軽にご相談ください。

 

2024年12月15日