こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
お薬をもらうと必ず服用方法が書いてあります。
「朝食後」と書いてある場合もありますし、「夕食前」と書いてある場合もあります。
では朝食を食べない方や、体調悪くて食べられない方は薬はどうしたらよいのでしょうか?
食後に飲む理由
ほとんどの薬が食後に飲むことになっています。
よく「食事をしていないから薬が飲めませんでした」と外来で聞きます。
食後以外の時間帯にのむと何か悪いことがおこるんでしょうか?
実は、ほとんどの薬は、食事と関係なく内服してもほとんど問題ありません。
薬の効果にはあまり影響を及ぼさないのです。
ではなぜ食後がいいのでしょうか?
薬の添付文書をみると、副作用として胃腸障害が多く挙げられています。
胃の中に食物が残っている場合は、ゆっくりと吸収されていきます。
そのため、食後にのむことで胃腸障害を軽減できるのです。
薬は1日に必要な量を処方しています。
朝食を食べていなくても、朝きちんと薬を飲むことをお勧めします。
胃腸障害が心配な方は、少しでも何か食べて薬を飲みましょう。
では、すべての薬が時間を守る必要がないのでしょうか?
数は多くないのですが絶対に指定を守らなければならない薬もあります。
・血糖降下薬
食事をしないで血糖を下げる薬をのめば、低血糖になってしまいます。
そのため、血糖に関連する薬は主治医にきちんと飲み方を聞きましょう。
・ホルモン剤
ホルモン量には日内変動というものがあります。
そのため、ホルモン剤などは、のむ時間帯を守ったほうがいいです。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)などが対象となってきます。
漢方はなぜ食前?
漢方薬は食前や食間が多いです。
食前とは、食事の20〜30分前のことです。
食間とは、食事の最中だと思われている方も多いようですが、食事と食事の間という意味で、食事を終えてから約2時間後が目安です。
空腹時に漢方薬を飲むと、食物の影響を受けないで小腸まで届き、腸内細菌によって吸収されやすい状態に変えられます。そのため効果的に薬の効果を発揮することができるのです。
いかがでしたでしょうか?
食事ができていないと薬を飲んでいいか悩むと思います。
悩む場合は一度主治医に相談してみましょう。