こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
片頭痛は女性に多く、月〜年に数回不定期に起こる頭痛です。片頭痛の人口は10人に1人と言われています。
最も頻度の高い30歳女性では約20%に達すると言われており、決して特別な病気ではありません。
月に2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者には、予防薬が推奨されています。
今回は予防薬のひとつである抗てんかん薬について詳しく見ていきましょう。
抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマート)
バルプロ酸
てんかんを予防するための抗てんかん薬ですが、片頭痛の予防薬として効果があります。
・バルプロ酸は片頭痛の予防に有効か?
月に 2回以上の頭痛発作がある片頭痛患者にバルプロ酸1000mgを経口投与すると,8週後には片頭痛発作を平均4.4回/月から平均3.2回/月に減少させます。
日本においては片頭痛予防にはバルプロ酸 500mg〜600mg/日の内服が勧められます。
片頭痛の疼痛は三叉神経血管系の神経原性炎症が中心的な病態ですが、バルプロ酸は実験的に神経原性炎症を抑制し、侵害受容性疼痛の伝達を抑制することが示されています。
・副作用
一番は眠気があります。
飲み始めが特に眠気を感じやすいですが、継続していくと薬に体が慣れてきます。
その他には浮動性めまい、高アンモニア血症、肝機能障害、クレアチンホスホキナーゼ増加、貧血があります。
※妊娠中および妊娠中の可能性のある女性には催奇形性があるため、原則禁忌とします。
トピラマート
GABAの増強や神経細胞膜を安定させます。
片頭痛の予防には海外では非常に有効なのですが、日本では保険適用外です。