「鎮痛薬の飲みすぎると効かなくなって新しい頭痛を作る?」薬物乱用頭痛の正体

こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡市東区、糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

 

「頭痛がひどいから、とりあえず市販薬を飲む」。

そんな毎日が当たり前になっていませんか?最初は週に1回だったのが、いつの間にか2日に1回、そして毎日……。

実は、良くなるために飲んでいるその薬が、逆に「頭痛体質」に変えている可能性があります

痛み止め(鎮痛薬)を飲みすぎると効かなくなる?

診察をしていると、多くの患者から「昔は効いたのに、最近は薬を飲んでもスッキリしない」というご相談をいただきます。

これは単なる「慣れ」ではありません。

世界的な権威のある医学論文(Nature Reviews Neurology など)では、鎮痛薬の過剰な服用によって、脳の「痛みセンサー」が過敏になることが証明されています。

  • 中枢性感作 脳の神経が過敏になり、普段なら痛みと感じないような小さな刺激でも「激痛」として捉えてしまう状態。

  • 脳の構造変化 MRIを用いた研究では、薬を乱用することで痛みを処理する脳の領域(灰白質)の密度が変化してしまうことも報告されています。

 

どれくらい飲むと薬物乱用頭痛になる?

頭痛薬の飲みすぎととらえる捉え方は人それぞれで変わります。以下の項目に当てはまる方は、注意が必要です。

 

「薬物乱用頭痛(MOH)」のセルフチェック

  • □ 1ヶ月に15日以上頭痛がある

  • □ 市販の鎮痛薬や処方薬を月に10〜15日以上飲んでいる

  • □ 3ヶ月以上、このような状態が続いている

  • □ 薬を飲んでも、以前ほど痛みが治まらない

  • □ 朝起きた瞬間から頭が重い

これらに該当する場合、それは元の頭痛ではなく「薬物乱用頭痛(MOH)」という、治療が必要な病気の状態かもしれません。

治療について

頭痛があるのに、薬を飲むなと言われても、それは痛くて仕事にならなかったり、日常生活に影響を及ぼします。

当院では、無理に薬を断つのではなく、以下のような多角的なアプローチで、「頭痛体質」からリセットしていくことを目指します。

  • 適切な予防薬の導入: 痛みが出る頻度を減らしていくことで、頭痛薬(鎮痛薬)を飲む頻度を減らしていく治療

  • 生活習慣の改善: 肥満や炎症、ストレスなど、頭痛の根本原因にアプローチして解決を図る。

頭痛は我慢するものでも、薬でごまかし続けるものでもありません。

「最近、薬が増えてきたな」と少しでも不安に思ったら、まずは当院へご相談ください。痛みの連鎖から解放するお手伝いができればと思います。

2026年05月11日