BLOG
塩分と頭痛の意外な関係:摂り過ぎも不足も頭痛の原因になる?


【結論】塩分と頭痛は深く関係しています

  • 塩分の摂り過ぎ: 血圧上昇や血管の急激な変動により「高血圧性頭痛」や「片頭痛」を誘発
  • 塩分の不足・脱水: 体内の浸透圧バランス低下により「脱水性頭痛」や「低ナトリウム血症」を引き起こす

「塩分と頭痛の意外なつながり」について、脳神経外科専門医が頭痛を引き起こすメカニズムと正しい対処法をわかりやすく解説します。

1. 塩分の「摂り過ぎ」が引き起こす2つの頭痛

塩分を摂り過ぎると、体内では血液中のナトリウム濃度を薄めようとして水分が血液中に取り込まれます。

その結果、血液量が増えて脳の血管に影響を及ぼし、頭痛が発生します。

① 高血圧性頭痛(血圧上昇による頭痛)

塩分過多によって急激に血圧が上がると、脳の血管に強い圧力がかかります。

これにより、頭全体が重い、後頭部が締め付けられる・張るといった「高血圧性頭痛」が起こりやすくなります。

② 片頭痛の誘発(血管の収縮と拡張)

塩分過多による血圧の変動や血管の緊張は、脳の三叉神経を刺激するトリガーになります。

特に片頭痛持ちの方は、塩分の強い食事(ラーメン、スナック菓子、加工肉など)をとった後にズキズキと脈打つような痛みが誘発されることがあります。

2. 塩分の「不足・脱水」が引き起こす頭痛

一方で、塩分は「減らせば減らすほど良い」というわけではありません。

特に夏場や激しい運動時などは、塩分不足が原因で頭痛が起こることがあります。

脱水性頭痛・低ナトリウム血症

大量の汗をかいた際に、水や緑茶など「塩分を含まない水分だけ」を大量に補給すると、血液中のナトリウム濃度が急速に低下します(自発的脱水・低ナトリウム血症)。

すると、体内の浸透圧バランスを保とうとして水分の移動が起こり、脳組織にむくみ(脳浮腫)が生じたり、脳への血流が低下したりして締め付けられるような頭痛やめまい、だるさを引き起こします。

塩分の状態 発生する主なメカニズム 頭痛の特徴・症状
塩分過多(過剰摂取) 血液量増加、血圧上昇、脳血管への負担・拡張 後頭部の重さ・張り(高血圧性)、脈打つ痛み(片頭痛)
塩分不足(脱水時) 血液中ナトリウム低下(低ナトリウム血症)、脳のむくみ 頭全体の締め付け感、めまい、全身のだるさ

3. 頭痛を防ぐための正しい塩分コントロール

頭痛を予防するためには、適量かつ適切なバランスで塩分と付き合うことが大切です。

  • 1日の塩分摂取量の目安: 成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満(高血圧治療中の方は6.0g未満)を意識しましょう。
  • カリウムを一緒に摂る: 生野菜や果物、海藻類に含まれるカリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けます。
  • 汗をかいたときは「水分+塩分」を補給: スポーツや屋外作業で汗をかいた時は、水だけでなく経口補水液やスポーツドリンク、塩分タブレットを活用してください。

4. 注意!その頭痛、隠れた脳疾患のサインかも?

「たかが塩分のせい」と思って放っておくのは危険です!!

血圧の上昇に伴う頭痛の裏には、脳出血、未破裂脳動脈瘤、高血圧性脳症などの重大な脳疾患が潜んでいるケースもあります。

⚠️ すぐに受診すべき危険なサイン

  • ・これまでに経験したことがない激しい頭痛が突然起きた
  • ・頭痛とともに血圧が著しく高い状態(上が140〜160mmHg以上など)が続く
  • ・手足のしびれ、めまい、吐き気、視界の違和感を伴う

当院(しろうず脳神経外科)では、1.5テスラMRIを用いた脳血管の精密検査や、専門医による頭痛診断、高血圧などの生活習慣病管理を行っております。困った際や頭痛で悩んでいる方はお気軽に当院までお問い合わせください。

5. まとめ

  • ・塩分の摂り過ぎは、血圧上昇や脳血管への負担により「高血圧性頭痛」や「片頭痛」を引き起こす。
  • ・激しい発汗時の塩分不足も、脳浮腫や血流低下による「脱水性頭痛」の原因になる。
  • ・適切な塩分管理と定期的な脳のチェックが、頭痛と脳卒中の予防に不可欠。

頭痛でお悩みの方や、血圧・塩分管理についてご相談したい方は、糟屋郡新宮町のしろうず脳神経外科までお気軽にご受診ください。

しろうず脳神経外科

  • 院長: 白水 寛理(日本脳神経外科学会専門医)
  • 所在地: 〒811-0120 福岡県糟屋郡新宮町中央駅前1丁目1-18
  • アクセス: JR鹿児島本線「新宮中央駅」徒歩約2分(敷地内駐車場完備)
  • 主な対応エリア: 糟屋郡(新宮町、粕屋町、久山町、篠栗町、志免町等)、古賀市、福岡市東区
  • 電話番号: 092-963-2371

Web予約・LINE予約はこちら(24時間受付)

2026年10月26日
善玉コレステロール(HDL)を増やすには?脳卒中を防ぐ食事と運動のポイント

こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡市東区、糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

 

善玉コレステロール(HDL)を増やすにはどうすればいいですか?診察をしているとよく質問を受けます。

脳神経外科専門医が善玉(HDL)・悪玉(LDL)コレステロールの違いや、血管を若々しく保つ食事・運動習慣を医学的に解説します。

脳梗塞や動脈硬化予防、血液検査のご相談は糟屋郡新宮町/新宮中央駅徒歩2分のしろうず脳神経外科へお気軽にご相談ください。

 

善玉コレステロール(HDL)は「血管の掃除屋」

健康診断で「コレステロール値」の項目を見て、一喜一憂した経験はありませんか?

コレステロールと聞くと「体に悪いもの」というイメージを持たれがちですが、実は体に必要な脂質の一種です。

中でもHDLコレステロール(善玉コレステロール)は、血管の健康を保ち、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気を防ぐために非常に重要な役割を果たしています。

「悪玉(LDL)を下げる」ことには気を配っていても、「善玉(HDL)を増やす」方法についてはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

今回は脳神経外科医の立場から、善玉コレステロールの役割と、それを効率的に増やすための生活習慣についてわかりやすく解説します。

善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)の違いとは?

コレステロールには大きく分けて2つの種類があり、それぞれ役割が全く異なります。

 

  • 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)

    • 肝臓で作られたコレステロールを全身の組織や血管へ運ぶ役割。

    • 多すぎると血管の壁に入り込み、血管を狭く・硬くする(動脈硬化の原因)。
  • 善玉コレステロール(HDLコレステロール)

    • 血管や組織に溜まった余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す役割(=「血管の掃除屋」)。

    • 血管壁にできたプラーク(コブ)の拡大を防ぐ働きもあります。

なぜ脳神経外科でコレステロールが重要なのか?

脳の血管に動脈硬化が進むと、血管が詰まって「脳梗塞」を引き起こしたり、血管が破れて「脳出血」を起こすリスクが跳ね上がります。

つまり、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を適正な数値(基準値:40mg/dL以上)に保ち、血管内をキレイに掃除し続けることが、脳卒中の発生を未然に防ぐ最良の予防策となるのです。

 

善玉コレステロール(HDL)が減ってしまう主な原因

善玉コレステロールが低くなる(40mg/dL未満)背景には、日常生活におけるいくつかの悪習慣が関係しています。

  1. ・運動不足: 筋肉での脂質代謝が低下し、HDLコレステロールの合成が減ります。

  2. ・喫煙: タバコに含まれるニコチンは、HDLコレステロールを直接分解・減少させます。

  3. ・肥満(特に内臓脂肪型肥満): 内臓脂肪が増えると、HDLコレステロールを減らす物質(CETP等)が活性化します。

  4. ・トランス脂肪酸や脂質・糖分の摂り過ぎ: 悪玉コレステロールを増やし、相対的に善玉コレステロールの比率を下げます。

善玉コレステロールを増やす4つの生活習慣

善玉コレステロール(HDL)は、「お薬」だけで増やすことが難しく、生活習慣の改善が最も効果的とされています。

1. 有酸素運動を習慣にする

ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、善玉コレステロールを増やす最も確実な方法です。

  • 目安: 1日30分以上、週3〜4日程度(「少し息が弾む」くらいの強度がベストです)。

2. 青魚や植物性オイル(不飽和脂肪酸)を摂る

食事から摂る「油の質」を変えることがポイントです。

  • EPA・DHA(青魚): サバ、イワシ、サンマなどの青魚に含まれる成分は、脂質代謝を改善します。

  • オリーブオイル・アマニ油: 悪玉を下げつつ、善玉の働きをサポートします。

3. 大豆製品や食物繊維を積極的に摂る

  • 大豆タンパク(納豆・豆腐等): 脂質代謝を促し、コレステロールバランスを整えます。

  • 水溶性食物繊維(海藻・きのこ・オクラ・麦飯等): 余分な脂質の吸収を抑えます。

4. 禁煙と節酒

  • 禁煙: 禁煙を始めると、数週間〜数ヶ月で善玉コレステロール値が回復することが分かっています。

  • 節酒: 適量のアルコールはHDLコレステロールをやや上げることがありますが、飲み過ぎは中性脂肪を増やして逆効果になります。

善玉コレステロールが高すぎてもダメ?「LH比」にも注目

「善玉は高ければ高いほど良い」と思われがちですが、実は80mg/dL以上の極端な高値の場合、かえって動脈硬化のリスクが高まるケース(機能不全HDL)があることが近年の研究で分かっています。

また、重要なのは善玉と悪玉のバランスを示す「LH比(LDL ÷ HDL)」です。

  • LH比 2.0以下: 望ましい状態

  • LH比 2.5以上: 動脈硬化や脳血管障害のリスクが高まるため注意が必要

ご自身の正確なLH比や血管の状態を知るためには、血液検査だけでなく、頸動脈超音波(エコー)や脳MRIによる血管チェック(MRA)を定期的に受けることが推奨されます。

 

脳の健康と血管チェックは「しろうず脳神経外科」へ

「健康診断でコレステロール値を指摘された」

「身内に脳梗塞になった人がいて心配」

「生活習慣病(高血圧・脂質異常症)の管理をはじめたい」

脂質異常症(高コレステロール血症)は、初期段階では自覚症状が全くありません。

だからこそ、血管にダメージが蓄積して脳卒中を発症する前に、早期発見・早期予防に取り組むことが大切です。

当院(しろうず脳神経外科)では、血液検査はもちろん、最新のMRI機器を用いた脳血管の診断や、一人ひとりのライフスタイルに合わせた生活習慣指導を行っております。健康診断などでコレステロールの異常を指摘された際は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。

 

まとめ

  • ・善玉コレステロール(HDLコレステロール)は、血管の余分なコレステロールを回収する「掃除屋」。

  • ・増やすためには「有酸素運動」「青魚・不飽和脂肪酸」「禁煙」が最も効果的。

  • ・善玉・悪玉のバランス(LH比)を整えることが、脳梗塞・動脈硬化の予防につながる。

数値の異常を指摘された方や、将来の脳疾患予防をお考えの方は、福岡県糟屋郡新宮町/新宮中央駅徒歩2分のしろうず脳神経外科までお気軽にご相談ください。

 

  • この記事を書いた先生のプロフィール

    しろうず脳神経外科 院長 白水 寛理

    医師・医学博士/脳神経外科専門医
    (日本脳神経外科学会・日本頭痛学会・日本脳卒中学会・日本脳神経外科コングレス 所属)

    これまでは九州大学脳神経外科を中心に脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷など急性期医療に携わり、大学では脳卒中や脳腫瘍、もやもや病などの手術や研究を精力的に行ってきました。くも膜下出血や脳動脈解離など「危険な頭痛」の鑑別・初期対応にも力を入れています。

    即日MRI診断をすることで手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、脳の病気であり治療が必要です。当院では頭痛専門外来を行っており、本人に適した丁寧な治療を心がけています。

    詳しい医師のご紹介はこちら

 

2026年10月09日