BLOG
夕暮れ症候群とは?

こんにちは、毎日もの忘れ外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

夕方になると人が変わったようになってしまう。このような症状でお悩みのご家族も多いのではないでしょうか。

それは夕暮れ症候群かもしれません。

夕暮れ症候群とは、認知症の方が夕方から夜にかけて不安や興奮が強まり、落ち着きがなくなったり徘徊が増えたりする状態を指します。日中は比較的安定していても、時間帯の変化とともに症状が目立つ点が特徴です。

 

夕暮れ症候群とは

 

夕暮れ症候群は、認知症の周辺症状(BPSD)の一つで、

  • 夕方から夜にかけて不安、混乱、興奮、攻撃的な言動が強くなる現象を指します。
  • サンダウン症候群」と呼ばれることもあります。

発症の正確なメカニズムはまだ解明されていませんが、認知機能の低下、環境の変化、心身の疲労などが複雑に関与していると考えられています。

 

 

夕暮れ症候群で見られる代表的な症状

 

夕暮れ症候群では、時間帯の変化にともなって心身のバランスが崩れ、次のような症状が現れやすくなります。

そわそわと興奮する

夕方になると落ち着いて座っていられず、身体を動かし続けたり、話し方が早くなったりすることがあります。

周囲からは理由なく興奮しているように見えても、本人にとっては不安への自然な反応である場合が多いです。

具体例

  • ・部屋の中を行き来する
  • ・服を何度も整える
  • ・「帰らなきゃ」と繰り返し話す

 

ひとり歩き(徘徊)が増える

夕方になると目的なく歩き回る行動が増えることがあります。

室内だけでなく、外へ出ようとするケースも少なくありません。

具体例

  • ・玄関で靴を履こうとする
  • ・廊下を何度も往復する
  • ・外出しようとしてドアを開ける

 

不安や混乱状態になる

周囲の状況が理解しづらくなり、不安や混乱が強まります。感情の起伏が激しくなり、突然泣いたり怒ったりすることもあります。

具体例

  • ・「ここはどこ?」と繰り返す
  • ・家族を認識できなくなる
  • ・急に泣き出す、怒り出す

 

 

夕暮れ症候群はなぜ起こるのか?

 

① 認知症による見当識障害・記憶障害

時間や場所の認識が不安定になり、過去の生活習慣に基づいた行動が表れやすくなります。

② 周囲の環境変化

日照時間の減少による室内の暗さや、夕方の騒がしさ・静けさの変化が不安を助長します。

③ 過去の記憶の影響

仕事の帰宅時間や家事をしていた頃の記憶が刺激され、「帰らなければ」という思いが強くなることがあります。

④ 疲労や薬の影響

日中の疲れの蓄積や、服用している薬の影響で不安や興奮が強まる場合があります。

 

 

夕暮れ症候群への対処法

 

① 照明や環境を整える

夕方前から照明をつけ、室内を明るく保つことで不安を軽減できます。

家具配置はできるだけ変えず、安心できる環境を維持しましょう。

② 生活リズムを整える

起床・食事・就寝の時間を一定にし、体内時計を安定させることが大切です。午前中の軽い運動も効果的です。

③ 趣味や娯楽を取り入れる

塗り絵や音楽鑑賞など、本人が親しんできた活動は気持ちを落ち着かせる助けになります。

④ 共感と声かけを大切にする

否定せず「そう感じているんですね」と気持ちを受け止め、落ち着いた口調で声をかけましょう。

⑤ 専門家や相談窓口を利用する

地域包括支援センターや医療機関に相談することで、適切な支援や助言を受けられます。

 

 

対応時の注意点

 

  • ●強く注意・叱責しない
  • ●言動を否定しない
  • ●介護者自身のケアも大切にする

●介護する側が疲弊しすぎないよう、周囲の支援を積極的に活用しましょう。

 

 

夕暮れ症候群は、認知症の方が夕方から夜にかけて感じる強い不安の表れです。

環境調整や声かけ、生活リズムの工夫によって症状が和らぐこともあります。

症状を和らげるような薬もあります。無理をせず、医療機関や支援サービスと連携しながら、本人にも介護者にもやさしい対応を心がけましょう。お悩みの方は当院までお気軽にご連絡ください。

 

2026年01月19日