こんにちは、毎日もの忘れ外来をしている福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
夕方になると人が変わったようになってしまう。このような症状でお悩みのご家族も多いのではないでしょうか。
それは夕暮れ症候群かもしれません。
夕暮れ症候群とは、認知症の方が夕方から夜にかけて不安や興奮が強まり、落ち着きがなくなったり徘徊が増えたりする状態を指します。日中は比較的安定していても、時間帯の変化とともに症状が目立つ点が特徴です。

夕暮れ症候群は、認知症の周辺症状(BPSD)の一つで、
発症の正確なメカニズムはまだ解明されていませんが、認知機能の低下、環境の変化、心身の疲労などが複雑に関与していると考えられています。
夕暮れ症候群では、時間帯の変化にともなって心身のバランスが崩れ、次のような症状が現れやすくなります。
夕方になると落ち着いて座っていられず、身体を動かし続けたり、話し方が早くなったりすることがあります。
周囲からは理由なく興奮しているように見えても、本人にとっては不安への自然な反応である場合が多いです。
具体例
夕方になると目的なく歩き回る行動が増えることがあります。
室内だけでなく、外へ出ようとするケースも少なくありません。
具体例
周囲の状況が理解しづらくなり、不安や混乱が強まります。感情の起伏が激しくなり、突然泣いたり怒ったりすることもあります。
具体例
時間や場所の認識が不安定になり、過去の生活習慣に基づいた行動が表れやすくなります。
日照時間の減少による室内の暗さや、夕方の騒がしさ・静けさの変化が不安を助長します。
仕事の帰宅時間や家事をしていた頃の記憶が刺激され、「帰らなければ」という思いが強くなることがあります。
日中の疲れの蓄積や、服用している薬の影響で不安や興奮が強まる場合があります。
夕方前から照明をつけ、室内を明るく保つことで不安を軽減できます。
家具配置はできるだけ変えず、安心できる環境を維持しましょう。
起床・食事・就寝の時間を一定にし、体内時計を安定させることが大切です。午前中の軽い運動も効果的です。
塗り絵や音楽鑑賞など、本人が親しんできた活動は気持ちを落ち着かせる助けになります。
否定せず「そう感じているんですね」と気持ちを受け止め、落ち着いた口調で声をかけましょう。
地域包括支援センターや医療機関に相談することで、適切な支援や助言を受けられます。
●介護する側が疲弊しすぎないよう、周囲の支援を積極的に活用しましょう。
夕暮れ症候群は、認知症の方が夕方から夜にかけて感じる強い不安の表れです。
環境調整や声かけ、生活リズムの工夫によって症状が和らぐこともあります。
症状を和らげるような薬もあります。無理をせず、医療機関や支援サービスと連携しながら、本人にも介護者にもやさしい対応を心がけましょう。お悩みの方は当院までお気軽にご連絡ください。
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