こんにちは、毎日頭痛外来をしている福岡市東区、糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。

暑い日にかき氷やアイスクリームを急いで食べたとき、こめかみや額が「キーン!」と激しく痛んだ経験はありませんか?
誰もが経験するこの現象、実は医学界でも正式に「アイスクリーム頭痛(Ice-cream headache)」という名前で登録されている立派な頭痛の一種です。
「冷たいものを食べたから仕方ない」と思われがちですが、実はこのとき、あなたの脳の中ではある「2つのバグ」が起きています。
今回は、脳神経外科医の視点から、アイスクリーム頭痛が起きる驚きのメカニズムと、医学的に正しい「キーン!」の防ぎ方・治し方を分かりやすく解説します。
冷たいものは口の中(喉)を通っているのに、なぜ「頭」が痛くなるのでしょうか?
それには、脳の神経と血管の複雑な仕組みが関係しています。
人間の顔や口の中の感覚は、「三叉神経(さんさしんけい)」という太い神経を通って脳に伝えられます。
冷たいものが急に喉を通過すると、三叉神経は脳に「冷たい!」という信号を送ります。
しかし、その刺激が強すぎると、脳はどこから来た信号なのか混乱してしまい、喉の冷たさを「頭が痛い!」と勘違いして処理してしまうのです。
これを医学用語で「関連痛(かんれんつう)」と呼びます。
冷たいものが口の中に入ると、体は一時的に体温を奪われまいとして、口の中の血管をキュッと収縮させます。
しかし、その直後に冷たいものが通り過ぎると、今度は急激に冷えた場所を温めようとして、反動で血管を一気に太く拡張させます。
この血管が急激に広がる際の刺激が、周囲の神経を刺激してズキズキとした強い痛みを引き起こすのです。
これは、片頭痛が起きるメカニズムと非常によく似ています。
実は、アイスクリーム頭痛は全員が同じように感じるわけではありません。
医学的な研究では、普段から「片頭痛(へんずとう)」に悩まされている人ほど、アイスクリーム頭痛を起こしやすいというデータがあります。
片頭痛持ちの方は、もともと脳の血管や三叉神経が通常よりも「過敏」な状態にあるため、冷たい刺激に対しても脳のバグ(関連痛)が起きやすいと考えられています。
「キーンとなるのは嫌だけど、冷たいスイーツは美味しく食べたい!」という方のために、脳外科医が教える医学的なアプローチ法をご紹介します。

最も効果的な予防法は、口の中の温度変化を緩やかにすることです。
かき氷やアイスは一口の量を少なくし、時間をかけてゆっくり味わいましょう。
もし「あ、急いで食べちゃったな」と思ったら、スプーンを口から離し、舌の裏(口の天井部分)を喉の奥に押し当てるようにすると、口内の急激な冷え込みを防ぎ、血管の急激なリバウンドを抑えることができます。
もし「キーン!」と痛くなってしまったら、冷えてバグを起こしている神経を落ち着かせましょう。
持っている温かい飲み物のペットボトルや、手のひらをおでこや喉元、こめかみに当てることで、血管の急激な変化や神経の興奮を和らげ、痛みを早く落ち着かせることができます。
アイスクリームよりも、細かい氷が密集している「かき氷」や「フローズンドリンク」の方が、喉を一気に冷やすため痛みが強く出やすいです。
頭痛が気になる方は、少し時間を置いて柔らかくなったソフトクリームなどを選ぶか、温かいお茶をセットで交互に飲むのが医学的におすすめです。
アイスクリーム頭痛は、一時的な脳の錯覚(バグ)であるため、時間が経てば自然に治まります。
体に害があるものではありませんので、安心してくださいね。
しかし、「冷たいものを食べていないのに、夏場にずっと頭が重い」「ズキズキする頭痛の回数が増えてきた」という場合は、単なるアイスクリーム頭痛ではなく、夏の脱水症状による頭痛や、冷房による寒暖差からくる「片頭痛」など、別の原因が隠れている可能性が高いです。
当院では、患者様お一人おひとりの頭痛のタイプを正しく診断し、快適な毎日を送るための予防医療を行っています。
ここ福岡・新宮町周辺で「最近頭痛が多くて悩んでいる」「市販の痛み止めが手放せない」という方は、我慢せずにどうぞお気軽に当院までご相談ください。
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