こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
頭が痛い・・・。
痛みがあるから頭痛薬飲んだのに全然痛みがひかない!!
または頭痛薬は何を飲んだらいいのかわからない。そんな悩みはありませんか?
今回は頭痛薬が効かない理由について詳しく解説していきましょう。
頭痛薬が効かない理由
頭痛薬が効かない原因としては主に3つあります。
①服用するタイミングの問題
第一に薬を服用するタイミングです。薬の服用のタイミングは非常に重要です。
通常は痛みが出現し始めた1時間以内に飲むが良いとされています。
痛みを我慢することによって、体の中で痛みの原因物質が増加してしまい、鎮痛薬が効かない場合があります。
そのため、痛みを感じ始めたらすぐに服用するよう心がけましょう。
②薬を使い過ぎている
2つめの原因としては、痛み止めの薬を使用することが多い場合です。
鎮痛薬を使用することが1ヶ月に10回以上を超えた場合には、薬物乱用頭痛になるリスクが上昇します。
過度に鎮痛薬を使用すると、神経が過敏になりかえって頭痛が悪化する場合があります。
薬物乱用頭痛の症状としては、ひと月の半分以上もの間を締め付けられるような持続的な頭痛で苦しみ、加えて片頭痛のような発作性の激しい頭痛が起こることもあります。
市販の鎮痛薬はすぐに入手が可能であり、痛くなりそうだからと習慣的に飲んでしまいがちです。
市販の鎮痛薬や急性治療薬の使用を繰り返すうちに、徐々に薬が効かなくなり、薬の種類を変える・量を増やすなどしても効果が乏しく、ほぼ毎日のように薬を服用する方も珍しくありません。
薬物乱用頭痛に苦しむ方は、そうでもしなければ痛みに耐えることができず、生活もままならない状態だからこそ鎮痛剤を乱用するのですが、そのうちほとんどすべての市販薬が効かなくなるか、効いたとしてもほんのわずかな時間だけになってしまいます。
市販薬を服用しすぎる人の特徴としては、中度〜重度の片頭痛に悩まされた結果、仕事や学校、家事などの社会生活を行うため、早めに鎮痛剤を使用する癖がついたり、服用量が増えてしまったりという傾向があります。
このような頭痛で悩まされている方は当院へお気軽にご相談ください。
中度〜重度の片頭痛は、治療薬(トリプタン)・予防薬・予防の注射(ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤))があり、鎮痛薬に頼り切らずに頭痛を起こりにくくすることが可能です。
③薬が合っていない
3つめの原因としては薬が合っていない場合です。
頭痛薬にはさまざまな種類があり、効果の強さや効き方、作用時間等もさまざまです。
数ある頭痛薬の中から自分に合った薬を探していくことも大切です。
当院ではさまざまな種類の鎮痛薬を揃えており、ご自分に合った鎮痛薬を探していくのをお手伝いしています。
頭痛薬が効かなくてお悩みの方はぜひ当院までお気軽にご相談ください。
また、いつもの頭痛薬とは異なる頭痛薬を試しても症状が改善されない場合には、重大な病気が潜んでいるかもしれません。一旦、服用をやめて速やかに脳神経外科を受診しましょう。
いかがでしたでしょうか?頭痛はきついものです。
当院では、頭痛を専門的に診察する頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」の治療も受けられます。
頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」までお問い合わせください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
まぶたがピクピクと勝手に動くという経験はありませんか?
止めようと意識してもなかなか止まりません。このピクピク勝手に動くのは何か病気なのでしょうか?
今回はこのようなまぶたがピクピクする原因について詳しく見ていきましょう。
まぶたが痙攣するのはなぜ?
まぶたが痙攣するのは、眼輪筋という筋肉が攣縮することによって起こるとされています。
まぶたの痙攣には3つのタイプがあります。
①突然まぶたの一部がピクピクと痙攣するが、目は普通にあけることができ、数分間で収まるタイプ
テレビ・インターネット・ゲーム・読書など目を長時間酷使することや、ドライアイ・睡眠不足などが原因と考えられています。また、コーヒーやアルコール摂取が誘因となる場合もあります。
特に疲労時によく起こりますが、たいていは1〜2週間ほどで治りますので十分な睡眠・休養をとり、心と体をリラックスするように心がけましょう。
もし、まぶたの痙攣がずっと持続する場合は、他の病気の可能性がありますので速やかに医療機関を受診しましょう。
②両方のまぶたが痙攣するタイプ
このタイプを眼瞼痙攣といいます。常に目がショボショボし、瞬きが多く、室内でもまぶしくサングラスを使用しないと生活できない場合もあります。
徐々に症状が進行し、自分で目を開けようと思っても開けにくく、時には指でまぶたをもちあげるようになります。
また、視界がせまくなるだけではなく、他人と関わることがストレスになることもあります。
異常なシワが出て美容上も気になります。軽い瞬きをしようとしても強い瞬きしかできない、早い瞬きができない、強い瞬きをすると目を開ける時に痙攣するといった場合は眼瞼痙攣の可能性があります。
③片方の口や頬の周りも痙攣するタイプ
このタイプは片側顔面痙攣といい、顔面神経の走行経路の途中で血管や腫瘍などに圧迫されて発症します。
まぶたがピクピクする原因
眼精疲労
眼精疲労というのは、一般にいう疲れ目が病的な状態になったものです。
長時間の仕事や勉強で目を酷使すると、気付かぬうちに目に大きな負担がかかっています。
目が痒かったり充血したり、視界がぼやけたり二重に見えたりするのは、目が疲れている証拠です。
十分に休んでも目の違和感がとれない場合、眼精疲労の可能性があります。
眼精疲労は疲れ目と異なり、悪化すると首・肩の凝りや頭痛・吐き気・倦怠感など全身に症状が現れます。
原因は目の酷使だけでなく、ドライアイや白内障などの病気、ストレス・生活環境、近視・乱視・老眼に伴う眼鏡やコンタクトレンズの不適合など様々です。
眼精疲労が疑われる場合は、眼輪筋をリラックスさせ、目の疲労を軽減するための点眼薬や内服薬を用いて治療することが必要となります。
眼瞼ミオキミア
眼瞼ミオキミアは、眼輪筋という筋肉の攣縮が不随意に起こる状態で、通常片眼性であり、肉体的精神的ストレスが原因となります。
疲労の他、目の表面を刺激するような状態(結膜炎、ドライアイ、逆さまつげなど)があっても起こりやすくなります。
有効な治療法はなく、ストレスを緩和するために、適度に目を休める、十分な睡眠時間を確保する、カフェインを控えるといった対策をとりましょう。
眼瞼痙攣
目のまわりの筋肉が過剰に動き、まばたきがうまくできなくなる病気です。
症状は通常、両目に起こることが多いと言われています。
初めは目に違和感を覚え、その後まばたきの増加やまぶたの痙攣などの症状がみられるようになります。
放置すると次第に進行し、最終的には自分の意志で目を開けていられなくなります。
症状の進行は早くありませんが、放っておいても治りません。
眼瞼痙攣は40代以降の女性に多いため、更年期に見られる症状の一つであると思い込み、放置してしまう人もいるようです。
しかし、更年期と眼瞼痙攣は基本的に関係がありませんので、気にある症状がみられたら眼科を受診しましょう。重症の場合はボツリヌス注射で治療することもあります。
片側顔面痙攣
片側顔面痙攣とは、自分の意志と関係なく顔面の筋肉が痙攣する病気です。
多くの場合、顔の片側だけに痙攣が起こります。
顔面にある筋肉の運動を司る顔面神経の付け根が、血管や腫瘍などで圧迫されることで起こると考えられています。
中年の女性に多くみられ、通常片方の目の周囲から痙攣が始まり、その範囲が次第に頬や口元へと広がっていきます。
症状が軽い場合は、基本的に治療を行わず経過観察となりますが、気にある方は病院で相談してみるとよいでしょう。
頭部MRIで精査を行い、血管や腫瘍が顔面神経を圧迫していないかを確認します。著名に効果がある内服薬は現在のところありません。
症状が強い場合には、ボツリヌス注射で筋肉の痙攣を止める治療や、顔面神経を圧迫している血管をずらす手術を行うことがあります。
当院ではボツリヌス注射での治療を行っております。顔面神経を圧迫している血管をずらす手術に関しても適切な医療機関へ紹介いたします。お気軽にご相談ください。
チック
本人の意志と無関係に急に体の一部が繰り返し動いてしまう病気です。
まばたきや咳払い、首振りや奇声などがあります。また、チックが起こる前には、その動作をしたいという強い衝動が生じます。
この衝動は、くしゃみをするときや、かゆいところをかきたくなるときの衝動に似ており、チックを起こすと、その衝動は一時的に落ち着きます。
小児や青年期に発症することが多く、片側顔面痙攣に似た症状が出ますが、これらの症状は基本的に自分の意志でコントロールできるため、多くの場合自然に消失していきます。
チックの発症には脳機能のかたよりや障害が深く関わっていると考えられており、チックを引き起こす緊張状態や不安を軽減することで症状が和らぐ場合があります。
しかし、大人になっても症状が持続したり、再発する場合もあります。
まぶたがピクピクする原因は上記のようにさまざまあります。
長時間パソコンやスマホを利用している場合には、目を休めることで改善することが多いです。
まぶたがピクピクする動きが止まらない場合や、長い期間続く場合には、当院へお気軽にご相談ください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
もやもや病という言葉を知っていますか?
2002年度までは“ウィリス動脈輪閉塞症”が日本における正式な呼び名でしたが、今ではもやもや病が正式な呼び名となっています。
私は九州大学大学院の時に、もやもや病についての研究を行っていました。(研究の論文はこちら)
ありがたいことに九州大学脳神経外科同門会からも表彰いただきました。
今回は研究していたもやもや病について詳しく見ていきたいと思います。
もやもや病とは
もやもや病とは、内頸動脈という太い血管が細くなる原因不明の病気です。太い血管が細くなっていくので、血流を補おうと細い血管が発達していきます。その血管がもやもやとした血管に見えるため、もやもや病と名付けられました。アジアで多く、日本では厚生労働省の指定難病となっています。
(難病情報センターより抜粋)
原因
もやもや病の原因は現在も解明されていません。しかし、遺伝子変異が関与しているのではと言われており、RNF213という遺伝子が感受性遺伝子として特定されています。
人口10万人あたり6-10人程度と少なく、10歳以下の小児と30〜40歳代の成人に発症しやすいです。
どのような症状が起きるの?
太い血管が細くなることで脳に送られる血液が不足すると脳の虚血が起こり、また、その分の血液を送ろうともやもや血管に負担がかかり、血管がやぶれると脳の出血を起こします。
虚血の症状は手足の麻痺、しびれ、ろれつがまわらない、言葉がうまく出てこないなどがあげられます。
一時的に血流が不足し、その後元に戻ると症状は改善する一過性脳虚血発作で済む場合があります。
しかし、進行してひどい血流不足が続くと、脳細胞が死んでしまう脳梗塞という状態になり、症状は遺ってしまいます。
出血の症状は突然の頭痛、意識障害、手足の麻痺、しびれなどがあげられます。重症の場合は命に関わることもあります。
小児は虚血が多く、成人は虚血も出血もきたします。
また、その他の症状として頭痛やけいれん、小児では知能低下などもあります。
遺伝するの?
また、もやもや病に関連した遺伝子RNF213が発見されていますが、これは病気の原因遺伝子ではなく、発症しやすくなる“感受性遺伝子”と考えられています。
治療法
脳血管が徐々に詰まっていくのを改善させる治療法はありません。
脳血流の不足が続いている場合は脳血流の不足を補う手術を行ないます。
具体的には頭皮にある血管を脳の表面の血管に直接つなげるバイパス術(直接血行再建)、頭部の筋肉や血管、脳や頭蓋骨を包んでいる膜などを脳表に接着させ、筋肉などから血流が入るのを期待するバイパス術(間接血行再建)があります。
手術により脳の血流不足がなくなると、脳梗塞を起こさないだけでなく、もやもや血管もその役目を終えてなくなっていくので、もやもや血管がやぶれて脳出血を起こすことも少なくなります。
脳梗塞が発症した場合には、血管がつまらないよう血液をサラサラにする抗血小板剤という薬を使用することがあります。しかし、もやもや病は脳出血も起こす病気ですので、慎重な治療が必要です。
日常生活で注意することはある?
小児の場合では、症状がしばしば出現する時は、激しい運動、楽器などの演奏は控えましょう。
症状がしばしば出現する際は、なるべく早期に手術治療を検討することをお勧めします。
治療後や、症状が安定している場合は、過度な生活動作制限の必要はありません。
もやもや病は厚生労働省の指定難病となっています。診断確定のためには血管造影検査が必要となります。
もやもや病についてご不明な点、相談等ございましたら当院までお気軽にお問い合わせください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
血圧を測定したことはありますか?会社の健診や温泉、ジム、商業施設など血圧を測定する機会があると思います。
上の血圧と下の血圧が出ますよね?みなさんは注意して見てみたことはありますか?
上の血圧が高いと高血圧なのはわかるけど、下の血圧が高かったり、低かったりした場合がどうなのかわからない…そんな悩みを持っている方も多いと思います。
今回は下の血圧について詳しく見ていきたいと思います。
上の血圧と下の血圧
収縮期血圧とは
上の血圧を正式には収縮期血圧といいます。収縮期血圧とは、心臓が血液を送り出した時に血管の壁が押される圧力のことです。心臓の近くにある太い血管に向けて血液が勢いよく押し出されるため、壁を押す力も強くなります。収縮期血圧が135mmHg以上の場合に高血圧といわれます。
拡張期血圧とは
下の血圧を正式には拡張期血圧と呼びます。拡張期血圧とは、心臓が太い血管に血液を送り込んでいない状態で血管の壁にかかる圧力のことを指します。上の血圧が135mmHg未満でも、拡張期血圧が85mmHg以上であれば高血圧となります。
下の血圧だけが高い場合
下の血圧が高くなる理由
下の血圧、いわゆる心臓が拡張している間も、血液は全身を巡り続けています。
その流れが滞ってしまっている状態、すなわち血流が悪くなっている場合に下の血圧が高くなります。
心臓から遠い場所にある手足の細い血管が硬くなると、それだけ血液が詰まりやすくなり、血流が悪くなります。その結果、心臓に近い太い血管が問題なくても、末梢血管が硬くなり血流が悪化することで下の血圧が高くなるのです。
血圧が高いのは高齢者というイメージを持ちがちですが、若年層の二次性高血圧症でも下の血圧だけが高いというのが目立つ場合もあります。
肥満や運動不足、アルコールの過剰摂取、喫煙者などは特に上下ともに血圧が上昇します。
しかも若年層でこのような特徴を持つ人は、気づかないうちに末梢血管の動脈硬化が進み、下の血圧だけ高くなってしまいます。
また、更年期を迎えた女性にも同じような症状が見られることがあります。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、血管をしなやかに保ち、拡張させる作用があります。
閉経するとともにこのエストロゲンが減少します。エストロゲンが減少することで血管の柔軟性が落ちてしまい、下の血圧が高くなってしまいます。
下の血圧が高い場合のリスク
下の血圧が高くても大丈夫と軽く考えてしまいがちですが、下の血圧だけ高い状態でも高血圧とみなされます。
一般的にいわれている高血圧と同様に動脈硬化のリスクがあるため、油断はできません。
血管は本来弾力性に富んでいますが、高血圧によって血管に負担がかかり続けることで、徐々に厚みを増して硬くなり、動脈硬化へとつながっていきます。
動脈硬化が起きても自覚症状はなく、気づかないうちに進行し、脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、腎硬化症、大動脈瘤などの全身に関わるさまざまな病気を引き起こしてしまいます。
下の血圧が低い場合
下の血圧が低くなる理由
下の血圧、いわゆる拡張期血圧が下がるのは、大きな血管が硬くなった場合です。
心臓が拡張する時には末梢の動脈が収縮してプールされていた血液を全身の臓器に送り出します。
動脈硬化が起こると、心臓の収縮期に末梢血管が十分に拡張せずにプールできる血液量が減少してしまい、血液が末梢臓器を素通りしてしまいます。
その結果、心臓拡張期にはプールされていた血液量が少ない上に、血管が硬くなり収縮性が低下しまうため、血管に加わる圧力が低下し、拡張期の血圧を低下させてしまいます。
理想的な血圧は120台/70台であり、拡張期血圧が60mmHgを下回る場合はある程度動脈硬化が進んでいる可能性があります。しかし、拡張期血圧が60mmHg以下でも、収縮期血圧も低い状態であれば、一旦様子をみてもよいです。
下の血圧が低い場合のリスク
下の血圧が低い場合、動脈硬化が原因であるため、下の血圧が高い場合と同様に脳疾患(脳梗塞、脳出血)、心臓疾患(心筋梗塞、狭心症)、腎臓疾患(腎不全、腎硬化症、尿毒症)、下肢の疾患(閉塞性下肢動脈硬化症、壊疽)、眼の疾患(眼底出血、浮腫)などの命に関わるような異常を起こすリスクがあります。
収縮期血圧が高いまま、拡張期血圧のみが下がる場合は、動脈硬化で血液が溜められない状態になっている可能性があるため、収縮期血圧と拡張期血圧の差が70mmHg以上ある人は要注意です。
動脈硬化の改善には、生活習慣の見直しがとても重要
〇食生活の見直し:食塩摂取は1日6g未満にしましょう。
また、海藻類、野菜類、きのこ類、こんにゃく、大豆製品、玄米、雑穀類などの食物繊維の多い食品を積極的に摂ることで血中コレステロール値を下げることも重要となります。
動脈硬化の原因となる活性酸素を抑えるために、かぼちゃ、いちご、さけ、キウイ、小松菜などのビタミンC、ビタミンEを多く含む食品を積極的に摂りましょう。
逆に飽和脂肪酸、コレステロールを多く含む脂肪分が多い肉類、内臓系、卵黄、乳製品、加工食品、マヨネーズなどの摂取を控えましょう。
〇適度な運動:有酸素運動を1日30分程度継続して行うことで善玉コレステロールの増加や中性脂肪の減少が期待できます。
また、運動によりエネルギー消費ができるため、肥満の解消も期待でき、運動により筋肉量が増えることで基礎代謝が上がります。
週に3〜4回を目標に継続していきましょう。
〇禁煙:喫煙は百害あって一利なしです。喫煙によって動脈硬化を発症するリスクが3倍になります。
自身がタバコを吸っていなくても、近親者が喫煙しており、副流煙を吸うと、同様のリスクを与えます。
血圧が高くても症状はなにも感じません。
しかし、動脈硬化は進行してしまうと治療で改善させることはできません。
健診で指摘されている方はぜひ当院へ一度ご相談ください。
こんにちは、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
頭をどこかにぶつけたときにたんこぶってできますよね。その時みなさんだったらどうしますか?
冷やす方が多いと思います。
では、たんこぶの適切な対応ってなんだろう?
今回は、たんこぶについて詳しく解説します。
そもそもたんこぶって何?
たんこぶという言葉は医学用語にはありません。
医学的には”皮下血腫”という言葉を使います。
打ったところの皮膚の下の細い血管(毛細血管)が破れて、皮膚の下で出血します。その血が皮膚の下で溜まった状態がたんこぶなんです。
頭を打つとたんこぶができやすいのは、頭皮は血行が良く、皮膚の下には頭蓋骨があるため、溜まった血液が内側へいくことができずに、外側に広がって皮膚がふくらんでしまうからです。
たんこぶの適切な処置とは?
たんこぶは血が皮膚の下に溜まった状態です。そのため、たんこぶができ始めた時は、皮膚の下で出血している状態なんです。
その状態で温めてしまうと、血行がよくなってしまって、たんこぶの腫れがもっとひどくなる可能性があります。
打った直後は、冷やすのが適切な処置となります。
冷やすことのメリット
先ほど冷やすのが適切な処置と説明しましたが、冷やすという行為はどういったメリットがあるのでしょうか?
最大のメリットは腫れを軽減するということです。
冷やして血管を収縮することで、内出血の程度を軽くします。その結果、たんこぶの腫れが軽減されます。
もう一つのメリットとしては、痛い感覚を麻痺させることです。
頭や体をぶつけると痛いものです。ましてや、子どもは泣き続けることもあるでしょう。
そんな時何もできずに側にいるより、何かできることがあれば…と思っちゃいますよね。
冷やすことで、痛みを感じる感覚が鈍くなります。痛みの感覚が麻痺すれば、たんこぶのことも忘れたりできます。
逆に、打ってから数時間以内にお酒を飲むと、血行がよくなって悪化することがあります。
たんこぶを作るほど頭をぶつけた時は、お酒は控えましょう。
いつまで冷やすのがいいの?
冷やす目的としては、皮膚の下の内出血を抑えることです。
そのため、せいぜい数分〜1,2時間程度がよいでしょう。
あまり長く冷やし続けたり、時間が経ってしまってから冷やすと、組織の血行が悪くなってしまい、治癒に必要な酸素や栄養が不十分になってしまいます。
そうなるとたんこぶが治るのも遅くなってしまいます。
温めることはしなくていい?
打撲してから数分〜1,2時間で内出血は止まります。その後1,2日で腫れがピークとなります。
そのピークを迎えた後は、温めることで血行を良くし、組織の活性と再生を促す方が治癒には最適となります。
組織に酸素や栄養を補給し、老廃物を捨てるためには血行がとても大切になります。
冷やすべきタイミング、温めるべきタイミング
冷やすタイミング、温めるタイミングを判断するには、風呂に入って、たんこぶがズキズキ痛むかどうかで決めましょう。
ズキズキ痛む時は、まだ急性期であるため、冷やす方がよいです。
たんこぶが痛まずに、気持ちよい程度であれば、温めるタイミングとなります。
打った直後は冷やす、その後は温める
たんこぶができるほど打ったときは脳神経外科のある病院へ相談しましょう。
当院では受診日にすぐにMRI等の検査を行うことが可能です。特に高齢者においては頭を打ったすぐ後には出血がみられなくても、1ヶ月程度して徐々に血が頭に溜まってくることがあります。
頭部打撲した際は是非気軽に当院までご連絡、相談ください。
こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
「ちゃんと寝ているのに頭が痛い」または「全然寝ることができなくて頭が痛い」などという経験はありませんか?
睡眠は日中に働いた脳や身体を休ませるために必要な時間です。
睡眠と頭痛について今回は見ていきたいと思います。
寝過ぎることで頭痛が起こる?
寝過ぎた後に起こる頭痛には、大きく分けて2種類あります。
片頭痛と緊張型頭痛です。
寝過ぎによる片頭痛のメカニズム
片頭痛とは睡眠中に副交感神経が活性化した結果、頭蓋内の血管が拡がって発生する頭痛です。
人は熟睡している時には心拍数や呼吸数が低下して、血流が穏やかになります。
その状態から、起きた際に血流量が増加することによって三叉神経が引っ張られて頭痛が生じるのです。
寝過ぎによる緊張型頭痛のメカニズム
緊張型頭痛は、首や肩に負担がかかる姿勢で寝ることで、背中の僧帽筋や後頸筋、側頭筋など頭痛の原因となる筋肉の血流が停滞して、強い収縮と緊張することで起こります。
通常は仰向けや横向きなどをして、枕に頭がありますが、枕から頭が外れていたり、手や足、腰、首などが無理な状態で曲がったりして長時間姿勢が悪いままで寝続けることで生じます。
寝不足で頭痛が起こる?
寝不足による片頭痛のメカニズム
片頭痛はストレスや疲労といったトリガーによって、脳の血管が拡張し、血管の周囲をとりまく三叉神経を圧迫してしまいます。
三叉神経が圧迫を受けると痛みの原因物質を放出して、血管に炎症を引き起こすことで、片頭痛が生じます。
寝不足による緊張型頭痛のメカニズム
緊張型頭痛は主に筋肉の疲労が原因で生じます。
寝不足になることで、頭や首から肩にかけての筋肉がストレスによる血流悪化で、老廃物が溜まり、それが原因で周囲の神経を刺激して頭痛が発生します。緊張型頭痛は頭の痛みだけではなく、肩こりや眼精疲労、全身倦怠感などを伴うこともあります。睡眠不足のときは主にこの緊張型頭痛が生じます。
睡眠を安定させるコツ
片頭痛が起きた時の対処法
・アルコールの摂取を控える
・光や騒音などの刺激を避ける
・精神的なストレスを減らす
・痛みがある部分を冷やす
・カフェインを摂取する
痛みがある部分を冷やすことで拡張していた血管が収縮し、頭痛が改善することがあります。
また、入浴は血流が促進されて頭痛が増悪するのでできれば避けましょう。
緊張型頭痛が起きた時の対処法
・ゆっくりストレッチする
・痛みがある部分を温める
・マッサージをする
原因としては筋肉の緊張によるものなので、上記のことをすることで頭痛が改善することがあります。
枕を高くしすぎると頭痛が生じやすくなってしまいます。
寝不足になりがちなときの対処法
寝不足になって頭痛が生じた際の一番の解決方法はなんといっても睡眠をとることです。
しかし頭痛が出ている状態でゆっくり眠れるとは限りません。
そのため、ストレスや緊張、疲労をとる努力をすることが大切となります。
ゆっくりとお風呂に入って体を温め、血流をよくすることで筋肉内の疲労物質や痛みの原因物質が流れやすくなります。お風呂の温度は38―40度程度で、肩までは浸からずにみぞおちあたりまで浸かって20分程度にとどめるのがおすすめです。
リラックスおよび体の血流を良くする目的で軽い運動をすることもいいでしょう。
また、寝過ぎた際の頭痛と同様に痛い部分を冷やす、カフェインを摂取するなども有効となります。
当院では、頭痛を専門的に診察する頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」の治療も受けられます。
頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」までお問い合わせください。
こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
休日や週末になると頭が痛くなるということはありませんか?
頭が痛くて起き上がれず、せっかく予定していた休日の予定もキャンセルしなくてはいけない…。そんな人も多いのではないでしょうか?
それは週末頭痛と呼ばれるものかもしれません。
週末に片頭痛が起こる原因
週末に頭痛が起こる原因としては、さまざまありますが、休日ならではの生活リズムや心の変化が関係してきます。
ストレスからの解放
平日は、仕事の忙しさや人間関係のストレスで心身ともに緊張状態となっています。
週末になることで、やっとこの緊張状態から解放されるということで心がホッとします。このストレスからの解放が原因のひとつとなります。
ストレスから解放されるのになぜ?と思う人も多いでしょうが、強いストレス状態ではセロトニンの分泌が増加し、血管が収縮します。
逆に、リラックス状態になるとセロトニンが減少し、血管は弛緩します。
平日の緊張状態から週末のリラックス状態へ変換すると、多量に分泌されていたセロトニンが急激に減少し、それに伴って血管が拡張します。
急激な血管拡張が、脳血管の周りに存在する三叉神経を刺激して、その結果頭痛が生じるのです。
睡眠サイクルの乱れ
週末は朝早く起きる必要はありません。そのため、前日に夜更かしをしてしまったり、日頃の疲れを取ろうと昼過ぎまで寝たりなど、休日の寝溜めや睡眠リズムの乱れも頭痛の原因の一つとなります。
寝ている間は副交感神経が活発になり、リラックス状態となります。副交感神経は、血管を拡張させる働きがありますが、長時間寝続けることで血流量が増加してしまうのです。
睡眠時間が長くなるほど血管の弛緩状態も長く続きます。そのため、目が覚めた時の反動が大きくなり、急激な血流の変化で三叉神経が刺激され、頭痛を引き起こすことがあります。
これは、睡眠時間が短いときにも同様のことが言え、睡眠時間が短いと交感神経が優位な状態になります。血管が収縮し、脳に届く血流量が少なくなります。
すると、頭が締め付けられるような頭痛や、頭が重く感じる頭重感が生じます。
低血糖
週末になると生活リズムが崩れてしまい、食事の時間が遅れることがあります。
空腹で低血糖状態になると血管が拡張するため、その結果頭痛が生じることがあります。
症状には個人差があり、初期の場合は異常な空腹感や冷汗、動悸、吐き気などの体調不良が生じます。
このような場合は、空腹を満たし安静にすることで改善します。
カフェインの離脱症状
平日にコーヒーや紅茶など、カフェインを含む飲み物をたくさん飲んでいる人もたくさんいるかと思います。こ
のようにカフェインを常用していると、カフェインが体にあることが普通になってしまい、カフェインが切れたときに脳血管が拡張します。
その脳血管の拡張によって頭痛が起きてしまいます。
食べ物・飲み物の影響
週末だからとお酒を飲む人も多いでしょう。
いつも飲んでいる人でも週末だから飲酒量が増える人も多いのではないのでしょうか?
アルコールは肝臓で分解されます。このとき、アルコールを分解する過程でアセトアルデヒドと呼ばれる毒性物質を作り出します。通常は酢酸と呼ばれる無害な物質に分解され、汗や尿として排出されますが、一度過剰に摂取すると、多量のアセトアルデヒドが作られるため、上手に処理することができなくなります。
それが原因となり、頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こしてしまいます。
週末頭痛の3つの予防法
平日と同じように過ごす
何より休日だからと特別な行動をすることで生活リズムが崩れることが頭痛の原因となります。
平日と同じように過度な朝寝坊などせずに起きましょう。
そうすることで血管の急激な拡張を防ぐことができます。
また、寝るときも夜更かししないようにいつも通りの時間に寝る様にしましょう。生活リズムを変えないようにすることで頭痛の予防になります。
前日にアルコールを摂りすぎない
週末は飲み会や自宅での飲酒なども多いことでしょう。
飲酒は特に悪いことではありません。
しかし、過度なアルコールを摂取することで、血管拡張作用が強くなります。
さらにおつまみとして、よく食べられるスナック菓子やチーズ、チョコレート、ウインナーやサラミなどは頭痛を引き起こしやすくする成分が含まれています。
お酒を飲む際は飲みすぎないよう気をつけましょう。
マグネシウムやビタミンB2を含む食品をとる
食べ物の中には頭痛を予防する効果があるものもあります。
マグネシウム
マグネシウムには脳の血管の拡張や収縮を抑える作用があり、片頭痛を予防する効果があります。マグネシウムをたくさん含んでいる食材には、わかめ、ひじき、スイカ、ごまなどが挙げられます。
ビタミンB2
ビタミンB2には片頭痛を予防する働きがあり、摂取することで頭痛の頻度や疼痛の程度が減少します。
ビタミンB2がたくさん含まれる食材には、レバー、牛乳、ヨーグルト、卵、納豆、うなぎなどが挙げられます。
片頭痛が起きてしまったときの改善方法
痛むところを冷やす
ズキンズキンとして片頭痛が起きってしまった場合は、氷やアイスノンなどで頭を冷やしましょう。
冷却することで拡張した血管を収縮することができ、頭痛を抑えることができます。冷やす場所としてはこめかみなど実際にズキンズキン痛んでいるところを冷やすのが効果的です。
静かな暗いところで休む
片頭痛になると、普段は気にならないような小さな音や光、匂いなどに敏感に反応する様になり、症状も悪化してしまいます。
そのため、偏頭痛を起こしたときは、ひどくならないように暗くて静かな場所で安静にしておくことが大切です。
また、片頭痛は前兆が現れることがあります。
チカチカと目の前でフラッシュのように光ったり、視野の一部が見えにくくなったり(閃輝性暗点)という状態が30分くらい続いた後で、頭痛が起こります。
実はこのタイミングのときに静かな場所で安静にしておくことでひどい頭痛を事前に抑えることができます。
カフェインをとる
コーヒーや紅茶などに含まれているカフェインは血管を収縮させます。
普段カフェインを摂っている人は特に、休日にカフェインが切れることで血管が拡張していまいます。
休日にもカフェインを摂取することで、血管が収縮し、片頭痛を抑えてくれることがあります。
頭痛薬を飲む
頭痛で悩まされている人の大半が頭痛薬や鎮痛薬を常備しているのではないでしょうか?激しい頭痛を抑えるのに即効性があるのが、何より鎮痛薬や頭痛薬になります。
頭痛が起こり始めたタイミングで服用することで激しい痛みを事前に抑えることができます。
しかし、頻繁に頭痛が起こる場合は、薬の飲み過ぎに注意する必要があります。薬を服用し続けることで体が薬に慣れてしまい、より強い薬でないと効果がなくなってしまいます。
さらに、服用し続けることで薬の使用過多による薬剤性の頭痛になってしまう場合もあります。
当院では、頭痛を専門的に診察する頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(CGRP頭痛薬剤)」の治療も受けられます。
頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」までお問い合わせください。
こんにちは。しろうず脳神経外科です。
このたび10月17日で開院してちょうど1年を迎えることができました。
開院以来、私を含めスタッフともども丁寧に話を聞くことで、少しでも心配や不安を取り除くことができたらという気持ちで診療を続けてまいりました。その思いが診療を通して少しでも感じていただけたら幸いです。
まだまだ不慣れなことも多く、行き届かない点も多々あると思いますが、もしお気づきの点などがありましたら気軽にお声掛けください。
最後に、このように1周年を迎えることができたのも、ひとえにこの1年間院長としては不慣れな私をサポートしてくださったスタッフの方々のおかげです。心より感謝申し上げます。
これからも皆様の健康を守るため、スタッフ一同さらなる努力を重ねていく所存です。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
自分の血圧がどの程度かみなさんは知っていますか?全然知らないという方も多いと思います。
今回は高血圧について述べていきたいと思います。
高血圧は、収縮期血圧(最大血圧)140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)90mmHg以上の場合をいいます。家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧とされます。
初期の高血圧には自覚症状がほとんどありません。そのため、高血圧に気づかない場合もあります。
また、高血圧を指摘されても自覚症状がないことから、食事制限をしたり運動をしたりといった生活改善を始める必要性に気付きづらく、高血圧を指摘されてから医療機関に相談するまで、3年以上かかっていることが多いです。
日本には高血圧の人が約4300万人もいると言われています。
しかし、厚生労働省の調査によると、高血圧で治療を受けている人はたったの1000万人程度です。
つまり、高血圧になっている人の4人に3人もの人が、高血圧に対する治療をしていないということです。
このように知らない間に高血圧になっており、進行して命に関わる合併症を引き起こすことから、別名「サイレント・キラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれます。
高血圧の合併症
動脈硬化
血管は全身に張り巡らされています。血液は心臓から血管を通じて体の隅々まで酸素や栄養を送り、脳などの臓器が十分に機能できているように支えています。
しかし、高血圧を放置していると、動脈の血管の柔軟性が失われて動脈硬化が起こります。
動脈硬化が進行すると血管の中がプラーク(コレステロールのかたまり)によって狭くなり、血液の流れが悪くなるため、さまざまな臓器に障害を引き起こします。
高血圧で起こりやすい脳の病気
脳血管の動脈硬化が進行すると、血栓(硬化した血管の一部が破けてできた血の塊)ができやすくなったり、血管に圧力がかかりやすくなるため、脳血管障害(脳卒中)が起こることがあります。
脳卒中は主に、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3種類に分けられます。
いずれの場合にも、初期対応が大切となります。また、後遺症として遺る場合が多く、脳卒中を引き起こさないためにも高血圧の治療が大切となります。当院でも高血圧や生活習慣病の治療を行っております。お気軽にご相談ください。
脳梗塞
日本で最も多い脳卒中であり、脳卒中の約60%が脳梗塞と言われています。
血栓によって部分的に血液が流れなくなるため、脳に酸素や栄養が行き届かず、その先の組織が壊死することで麻痺やしびれ、失語や視野障害などの症状が現れます。
脳出血
2番目に多い脳卒中となります。全体の約3割を占めます。
脳の細い血管に圧力がかかり、血管が破裂するので、今までに感じたことがない程の激しい頭痛が現れます。しかし、高齢者では脳内の圧力が上がらず、頭痛が少ないこともあります。
くも膜下出血
くも膜下腔という脳の表面で出血することが原因です。スポーツやケンカ、交通事故などで頭を強くぶつけるような場合にも生じますが、高血圧と関連したくも膜下出血は動脈瘤の破裂によるものが多いです。
ほとんどは先天性に動脈瘤を持っていることが原因であり、高血圧がきっかけで破裂します。良く起きる年齢は40〜65歳の働き盛りの年齢であり、この年齢の高血圧が油断できない理由もここにあります。
動脈瘤があるだけでは自覚症状はありません。自分に動脈瘤がないかMRIで調べましょう。
当院では予約なしで当日MRI検査が可能です。
もし、動脈瘤がある場合にはしっかりと説明を行い、適切な治療方針を提示します。
高血圧で起こりやすい心臓の病気
心肥大
高血圧になると、血管が硬くなってきます。全身に血液を送り出す心臓はその圧に対抗して血液を送ろうとするため、次第に筋肉がつきます。これが心肥大という状態です。心肥大になると、心不全や狭心症、心筋梗塞などの合併症の頻度が増加します。
心不全
心臓の働きが低下して血液の循環がうまくいかなくなり、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態のことです。また、血流を保つため、血液を溜め込む(うっ滯)が起こるようになります。その結果、足や顔などのむくみ、動く時の息切れ、動悸などの症状が現れます。
狭心症(心筋梗塞)
心臓の動脈が狭くなって心臓に十分な血液を送れなくなることで、急に胸が締め付けられるような痛みが現れます。血管が完全に詰まるわけではないので症状は一時的です。この状態を狭心症と言います。この心臓の動脈が完全に詰まると、心筋(心臓の筋肉)が壊死して心筋梗塞となります。全身に血液を送るポンプ機能が低下するため、我慢できないほどの胸の痛み、ショック状態(血圧低下)、動悸・冷や汗などが現れ、重篤な不整脈になって心停止することや、時には心破裂を起こすこともあります。
高血圧で起こりやすいその他の病気
腎臓の病気
腎臓は血液をろ過して、体内の老廃物や余分な水分を尿として排出するという働きを円滑に行うために血圧を一定に保っています。しかし、高血圧による動脈硬化が進行して動脈の血流が低下すると腎臓機能も低下するため、余分な水分や塩分を適切に排泄できなくなります。体内の液量が増加すれば、その分心臓の負担が増えるので血圧が上がるという悪循環につながります。
腎臓の血管が動脈硬化を起こして、腎機能が低下した状態を腎硬化症といいます。豊富な血流が必要となる糸球体(毛細血管の塊)で血液の流れが悪くなると、次第に糸球体が硬化していくため、老廃物のろ過が行えなくなり、慢性腎不全に至ります。
閉塞性動脈硬化症
動脈硬化により足の血管が細くなったり、詰まったりすることで十分な血流が保てなくなり、引き起こされる病気です。歩行時の足のしびれや痛み、冷感を感じたり、休み休みじゃないと歩けなくなります(間欠性跛行)。進行すると安静にしている時にも症状が現れ、閉塞した部分の血管を人工血管にするなど治療しないと、最悪の場合足の切断が必要となることもあります。
今回は高血圧について詳しくみていきました。
高血圧は自覚症状がないため、どうしても後回しにしてしまいがちです。
しかし、動脈硬化は進行してしまうと治療で改善させることはできません。健診で指摘されている方はぜひ当院へ一度ご相談ください。
こんにちは、毎日頭痛外来をしています福岡県糟屋郡新宮町の「しろうず脳神経外科」です。
頭痛があるとき、眠気も一緒に感じることがあると思います。
今回は片頭痛と眠気の関係性についてみていきましょう。
片頭痛と眠気は関係ある?
片頭痛が起こると、高確率で日中の眠気が起こります。
また、片頭痛を引き起こす原因の1つに睡眠不足や睡眠過多があります。一方で、片頭痛の患者さんにおいては睡眠時間を十分に確保することで、片頭痛が改善できることもわかっています。
片頭痛が起こると、以下の睡眠に関連する病気や症状が伴っているおそれがあります。
気になる症状のある方は、かかりつけ医へ相談するか、医療機関を受診しましょう。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時の気道が狭くなることによって、無呼吸もしくは低呼吸、いびきがみられ、日中の眠気や疲労感などを生じる病気です。(睡眠時無呼吸症候群についてはこちら)
早朝に頭痛の症状を有する片頭痛患者さんを対象にした研究によると、片頭痛患者さん8例のうち7例が閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断を満たしていたという報告があります。
睡眠時遊行症とは、睡眠中に自覚症状がない状態で無意識に歩き回る現象です。
子どもに多くみられますが大人になっても続く場合があります。ノンレム睡眠から不完全に覚醒した際に起こるとされており、睡眠中の行動によって危険が生じる場合は寝室の環境を整えるなどの対策が必要です。
片頭痛の中でも前兆のある片頭痛の場合に、睡眠時遊行症の既往歴が高かったとされています。
生活リズムの乱れや睡眠時間の不足が起こらないように生活リズムを整え、睡眠時間を十分に確保することが大切です。
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)とは、夕方から真夜中にかけて、足を中心に痛みやかゆみなどが生じる病気です。足を動かすと一時的に違和感が消えるものの、静止しているとむず痒さが再び生じる場合があります。
レストレスレッグス症候群になると、眠気がきても眠りにつくことができません。
眠れても浅い眠りとなるため、寝不足を引き起こして日中における眠気の原因となる可能性があります。
ナルコレプシーとは、日中に耐えられないほどの眠気を感じたり、歩行中や食事中など、眠る状況ではない場面で眠気が繰り返し起こったりする睡眠障害です。
眠気以外には、幻覚や脱力感、睡眠麻痺(身体を動かせず声を出せない状態が数秒~数分続く)などが起こります。
ナルコレプシーと一次性頭痛の有病率を調べた研究によると、ナルコレプシーの患者さんにおいて片頭痛が確認されています。
ナルコレプシーの対策としては、夜に十分な睡眠をとるよう心がけ、睡眠の質を低下させるアルコール・カフェイン・ニコチンなどの摂取を控えましょう。日中の眠気で学業や仕事に支障がある場合は睡眠障害を専門的に診療する医療機関を受診することも大切です。
特発性過眠症は、日中の耐え難い眠気と居眠りがみられる状態です。夜間の長時間の睡眠をともなうケースとそうでない場合があり、目覚めのすっきり感がないのが特徴です。ナルコレプシーのように幻覚や睡眠麻痺などがみられる頻度は少なく、朝起きられない、失神などを伴うことも少なくありません。
特発性過眠症と一次性頭痛の有病率を調べた研究によると、特発性過眠症の患者さんにおいて片頭痛の有病率が高いことが報告されています。
特発性過眠症は自然に改善する場合もありますが、日常生活への影響がある場合は適切な治療を受けることが必要です。
片頭痛は、さまざまな睡眠障害と併発する場合があります。睡眠障害と片頭痛の間には、視床下部の関与が示唆されています。
また、片頭痛の発症には視床下部の活性化が三叉神経を刺激し、片頭痛を引き起こすと考えられています
この三叉神経の過剰な活性化を抑え、片頭痛の発症を予防する治療薬が「ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」です。
ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」は、眠気がくるといった副作用はほとんどありません。薬の影響で日中睡魔におそわれる可能性は低い薬です。
睡眠障害と片頭痛の改善を図るためには、睡眠の質を高めるための入眠環境の調整や、睡眠障害や片頭痛を治療する必要があります。
上記のような症状でお悩みの方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。